慢性掻痒症・慢性そう痒症とは|長引くかゆみ・夜のかゆみでお困りの方へ

堺市の皮膚科・美容皮膚科の皮ふ科眼科くめクリニックです。
皮膚科専門医が在籍しています。
最新の医療から往診、土曜日午後・日曜日の診療まで、地域に根差した医療を行っています。

「かゆみが長く続いている」
「夜になると背中や腕がかゆい」
「発疹は目立たないのに、全身がかゆい」
「保湿しても、かゆみがなかなか落ち着かない」
「かいてしまって、皮膚が傷になっている」

このようなお悩みは、慢性掻痒症皮膚そう痒症として診察が必要になることがあります。

かゆみは、単なる乾燥だけでなく、皮膚の病気、内科的な病気、薬剤、加齢、神経、生活環境など、さまざまな原因で起こります。
日本皮膚科学会の皮膚瘙痒症診療ガイドラインでは、皮膚瘙痒症は「皮膚病変が認められないにもかかわらず瘙痒を生じる疾患」とされ、掻くことで二次的に掻破痕や色素沈着を生じることがあると説明されています。

目次

慢性掻痒症とは

慢性掻痒症とは、かゆみが長く続く状態を指します。
一般的に、かゆみが6週間以上続く場合は、慢性のかゆみとして原因を詳しく調べることが大切です。国際的な慢性掻痒症の考え方でも、6週間以上続くかゆみを慢性掻痒症と定義しています。

日本では、発疹が目立たないにもかかわらずかゆみが続く状態を、皮膚瘙痒症皮膚そう痒症と呼ぶことがあります。
また、全身にかゆみが出るものは汎発性皮膚瘙痒症、限られた部位にかゆみが続くものは限局性皮膚瘙痒症として分類されます。


このような症状はありませんか?

症状考えられる状態
夜になるとかゆい乾燥、体温上昇、寝具の刺激、慢性のかゆみなど
背中や腕がかゆい乾皮症、湿疹、神経性のかゆみ、皮膚そう痒症など
全身がかゆい乾燥、薬剤、内科的な病気、皮膚そう痒症など
発疹は少ないのにかゆい皮膚そう痒症、乾燥、内臓疾患に伴うかゆみなど
かいて傷になる掻破痕、色素沈着、湿疹化、感染のリスク
眠れないほどかゆい生活の質が下がっている可能性

かゆみは、我慢しているうちに掻き壊しが増え、さらにかゆくなる「かゆみの悪循環」に入ることがあります。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、長く続く強いかゆみは精神的苦痛が大きく、就眠や就業などの日常生活に支障をきたし、QOLを低下させることがあるとされています。


慢性掻痒症の原因

慢性掻痒症の原因は一つではありません。
皮膚の乾燥だけでなく、体の中の病気や薬の影響が関係していることもあります。

1. 乾燥肌・乾皮症

最も多い原因の一つが、皮膚の乾燥です。
皮膚が乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下し、衣類のこすれ、寝具、温度変化などの小さな刺激でもかゆみを感じやすくなります。

日本皮膚科学会のガイドラインでも、皮膚瘙痒症のかゆみで最も多いものとして、皮膚の乾燥、いわゆるドライスキンに由来する場合が挙げられています。

2. 湿疹・皮膚炎

アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎など、皮膚の炎症によってかゆみが続くことがあります。
見た目には軽く見えても、皮膚の中で炎症が続いている場合があります。

3. 内科的な病気に伴うかゆみ

全身のかゆみでは、皮膚だけでなく内科的な病気が関係していることがあります。
ガイドラインでは、腎疾患、肝・胆道系疾患、内分泌・代謝疾患、血液疾患、悪性腫瘍、神経疾患などが、汎発性皮膚瘙痒症を起こす疾患として挙げられています。

4. 薬剤によるかゆみ

内服薬、サプリメント、健康食品などがかゆみに関係することがあります。
特に、複数の薬を飲んでいる方、高齢の方、腎機能や肝機能に不安がある方では、薬剤の影響も確認が必要です。

5. 神経性のかゆみ・心因性のかゆみ

背中の一部、腕の外側、頭皮、陰部など、限られた部位にかゆみが続く場合、神経の過敏さが関係することがあります。
また、ストレス、睡眠不足、不安などでかゆみが強く感じられることもあります。


受診をおすすめする症状

以下のような場合は、早めに皮膚科でご相談ください。

  • かゆみが6週間以上続いている
  • 夜にかゆくて眠れない
  • 全身のかゆみがある
  • 発疹が目立たないのに強くかゆい
  • 背中、腕、足などを掻き壊している
  • 保湿しても改善しない
  • 市販薬を使ってもよくならない
  • 皮膚が黒ずむ、硬くなる、傷になる
  • 体重減少、発熱、倦怠感などを伴う
  • 肝臓、腎臓、糖尿病、血液疾患などの持病がある
  • 薬を飲み始めてからかゆみが出てきた

発疹が少ないかゆみでも、背景に別の病気が隠れていることがあります。
ガイドラインでは、汎発性皮膚瘙痒症では基礎疾患を除外するため、既往歴や生活歴を確認し、必要に応じて血液検査などを行うことが示されています。


当院での診察

慢性掻痒症の診察では、まず皮膚の状態を丁寧に確認します。
かゆみの原因が乾燥なのか、湿疹なのか、蕁麻疹なのか、薬剤や内科的な病気が関係していないかを考えながら診察します。

診察で確認すること

  • いつからかゆいか
  • どこがかゆいか
  • 夜に強くなるか
  • 発疹が出たり消えたりするか
  • 乾燥があるか
  • かき傷、色素沈着、湿疹化があるか
  • 使用中の薬、サプリメント、健康食品
  • 持病の有無
  • 入浴、洗浄、保湿、寝具、衣類などの生活習慣

必要に応じて、血液検査などで腎機能、肝機能、血糖、甲状腺、貧血などを確認することがあります。ガイドラインでも、原因検索のために血算、腎機能、肝胆道系酵素、甲状腺ホルモン、血糖値などの検査が具体例として挙げられています。


慢性掻痒症の治療

治療は、原因や皮膚の状態によって異なります。
「かゆみ止めを出す」だけでなく、かゆみの原因を探し、皮膚のバリアを整え、かき壊しを防ぐことが大切です。

1. 保湿・スキンケア

乾燥がある場合は、保湿がとても大切です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、ドライスキンを伴う皮膚瘙痒症に対して、保湿剤の使用によりかゆみの軽減が見込まれるとされています。

保湿剤は、入浴後すぐ、皮膚が少ししっとりしているタイミングで塗ると効果的です。
背中や足など、塗りにくい場所も忘れずに保湿しましょう。

2. 外用薬

湿疹や炎症がある場合は、炎症を抑える外用薬を使用することがあります。
ただし、皮膚に明らかな炎症がないかゆみに対して、強いステロイドを漫然と塗り続けることはおすすめできません。ガイドラインでも、皮膚病変を認めないかゆみに対するステロイド外用薬の効果は不定であり、二次的に湿疹病変を伴う場合に限り推奨されるとされています。

3. 抗ヒスタミン薬などの内服薬

かゆみの種類によっては、抗ヒスタミン薬などの内服薬を使います。
ただし、皮膚そう痒症のかゆみは、蕁麻疹のようなヒスタミン主体のかゆみとは異なることがあり、抗ヒスタミン薬だけでは十分に効かない場合もあります。ガイドラインでも、汎発性皮膚瘙痒症のかゆみは抗ヒスタミン薬が奏功しにくいことが多く、ヒスタミン以外の起痒物質が関係すると説明されています。

4. 原因疾患の治療

腎臓、肝臓、糖尿病、甲状腺、血液疾患などが関係している場合は、原因となる疾患の治療や管理が重要です。
皮膚科だけでなく、必要に応じて内科などと連携して原因を確認します。

5. 生活習慣の見直し

毎日の入浴、洗浄、衣類、寝具、室内環境もかゆみに関係します。
ガイドラインでは、強くこすらない、洗浄力の強い石けんやシャンプーを避ける、熱すぎる湯を避ける、ナイロンタオルを控える、室内を適温・適湿に保つ、爪を短く切るなどのスキンケアが挙げられています。


ご自宅で気をつけること

入浴

熱いお湯はかゆみを強くすることがあります。
ぬるめのお湯で、長湯を避け、ナイロンタオルなどで強くこすらないようにしましょう。

洗浄

石けんやボディソープは、洗浄力が強すぎないものを選びましょう。
泡でやさしく洗い、すすぎ残しがないようにします。

保湿

入浴後はできるだけ早めに保湿しましょう。
かゆいところだけでなく、乾燥しやすい背中、腕、すね、腰まわりも保湿することが大切です。

衣類

肌に触れる衣類は、刺激の少ない素材がおすすめです。
ウールや化学繊維でかゆみが強くなる方もいます。

かゆい時に強く掻くと、皮膚が傷つき、さらにかゆくなります。
爪を短く整え、夜間に掻いてしまう方は、手袋や保護の工夫が役立つことがあります。


慢性掻痒症と間違えやすい病気

慢性掻痒症と思っていても、実際には別の皮膚疾患が隠れていることがあります。

病気特徴
アトピー性皮膚炎乾燥、湿疹、かゆみをくり返す
蕁麻疹膨疹が出たり消えたりする
皮脂欠乏性湿疹乾燥により、すね・腰・背中などがかゆい
接触皮膚炎化粧品、湿布、衣類、金属などの接触で悪化
疥癬強いかゆみ、家族内・施設内で広がることがある
痒疹強いかゆみを伴う硬いブツブツが続く
薬疹薬の開始後に発疹やかゆみが出る

自己判断で市販薬を塗り続けると、診断が難しくなることがあります。
長引く場合は、皮膚科で原因を確認しましょう。


当院で相談できること

皮ふ科眼科くめクリニックでは、慢性掻痒症、皮膚そう痒症、乾皮症、湿疹、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、痒疹など、かゆみを伴う皮膚疾患を診察しています。

長く続くかゆみは、生活の質を大きく下げる症状です。
「かゆみくらいで受診していいのかな」と思わず、眠れない、仕事や家事に集中できない、掻き壊してしまうなどのお悩みがある方はご相談ください。


受診の目安

以下に当てはまる方は、皮膚科での診察をおすすめします。

  • かゆみが長引いている
  • 夜にかゆくて眠れない
  • 背中や腕、足を掻き壊している
  • 保湿しても改善しない
  • 市販薬でよくならない
  • 全身がかゆい
  • 発疹がないのにかゆい
  • 原因が分からず不安
  • 薬を飲み始めてからかゆくなった
  • 持病があり、かゆみが続いている

よくある質問


慢性掻痒症とは何ですか?

慢性掻痒症とは、かゆみが長く続く状態です。
一般的には、6週間以上続くかゆみを慢性のかゆみとして考えます。発疹が目立たないのにかゆい場合は、皮膚そう痒症として原因を確認します。

発疹がないのにかゆいことはありますか?

あります。
皮膚そう痒症では、はっきりした皮膚病変がないにもかかわらず、かゆみが続くことがあります。掻くことで、あとから掻き傷や色素沈着が出ることもあります。

夜になるとかゆくなるのはなぜですか?

夜は体が温まる、寝具で蒸れる、汗をかく、乾燥する、日中よりかゆみに意識が向きやすいなど、複数の要因でかゆみが強くなることがあります。
夜間のかゆみが続く場合は、睡眠の質にも影響するため受診をおすすめします。

保湿だけで治りますか?

乾燥が原因の場合は、保湿で改善することがあります。
しかし、湿疹、内科的な病気、薬剤、神経性のかゆみなどが関係している場合は、保湿だけでは十分でないことがあります。

かゆみ止めの飲み薬は効きますか?

かゆみの種類によって異なります。
蕁麻疹のように抗ヒスタミン薬が効きやすいかゆみもありますが、慢性掻痒症ではヒスタミン以外の原因が関係し、抗ヒスタミン薬だけでは十分でないこともあります。

血液検査は必要ですか?

全身のかゆみ、発疹が少ないかゆみ、長引くかゆみでは、必要に応じて血液検査を行うことがあります。
腎臓、肝臓、糖尿病、甲状腺、貧血などが関係していないか確認するためです。

市販薬で様子を見てもいいですか?

軽い乾燥や一時的なかゆみであれば、市販の保湿剤で落ち着くこともあります。
ただし、かゆみが長引く、夜眠れない、全身がかゆい、掻き壊している、市販薬で改善しない場合は、皮膚科を受診してください。

慢性掻痒症は治験の対象になりますか?

治験ごとに対象条件が異なります。
慢性掻痒症の症状、期間、治療歴、年齢、持病、現在使用中のお薬などを確認し、参加できるかどうかを医師が判断します。治験にご関心のある方は、アプリ予約の[★治験にご関心のある方へ]よりお問い合わせください。

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