疥癬は、ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の角質層に寄生して起こる感染症です。強いかゆみを伴うことが多く、特に夜間にかゆみが強くなるのが特徴です。皮膚には、手のひらや指の間にみられる疥癬トンネル、お腹や胸、腕や足に出る赤いぶつぶつなどがみられます。
疥癬には、一般的な通常疥癬と、感染力が非常に強い**角化型疥癬(痂皮型疥癬)**があります。通常疥癬は長い時間の皮膚どうしの接触でうつることが多い一方、角化型疥癬では短時間の接触や、はがれ落ちたあか、衣類、寝具などを介して広がることがあります。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、疥癬かどうか、湿疹など別の皮膚病ではないか、周囲の方への配慮が必要な状態かどうかまで丁寧に確認し、状態に合わせてご案内します。かゆみが長引く方、ご家族にも同じような症状がある方、施設内で広がりが心配な方は、お早めにご相談ください。

疥癬とは
疥癬は、ヒゼンダニが皮膚の表面の角質層に住み着くことで起こる病気です。日本皮膚科学会のQ&Aでは、近年は高齢者施設や病院・療養施設などでも散発的な流行がみられると案内されています。
通常疥癬では、皮膚の中にダニの通り道である疥癬トンネルができたり、赤い丘疹や結節が出たりします。角化型疥癬では、灰色から黄白色のざらざらした厚いあかが重なり、手、足、耳、爪などに目立つことがあります。かゆみは強いことが多いですが、角化型疥癬ではかゆみが目立たないこともあります。
このような症状はありませんか
・夜になるとかゆみが強くなる
・手のひらや指の間に細い線のような皮疹がある
・お腹、胸、腕、足に赤いぶつぶつが出ている
・男性で陰部に小さなしこりがある
・家族や同居者にもかゆみが出てきた
・高齢の方で、手足や耳、爪のまわりに厚いあかが増えている
・湿疹として治療しても、いったん良くなってまた悪化する
これらは疥癬でみられる代表的な症状です。通常疥癬では疥癬トンネルや赤いぶつぶつ、角化型疥癬では厚いあかや角質の増殖が目立ちます。
疥癬はうつりますか
うつります。 すでに疥癬に感染している人の皮膚の角質層にいるヒゼンダニが、未感染の人の皮膚に移ることで感染します。通常疥癬では、長時間の皮膚どうしの直接接触でうつることが多く、短時間の接触ではほとんど感染しません。ただし、患者さんが使った寝具や衣類をすぐに別の人が使うことで感染することもあります。
通常疥癬では、初めて感染した場合、症状が出るまで約1〜2か月かかることがあります。一方、角化型疥癬はダニの数が多く感染力が強いため、短時間の接触や衣類・寝具を介した接触でも感染しうるとされています。
通常疥癬と角化型疥癬の違い
通常疥癬
通常疥癬では、手のひら、指の間、指の側面などの疥癬トンネル、お腹や胸、腕や足の赤いぶつぶつ、強いかゆみが主な症状です。男性では外陰部に数mmのしこりがみられることがあります。
角化型疥癬
角化型疥癬では、灰色から黄白色の厚いあかが何層にも重なったような皮疹が、手や足、耳、爪などにみられます。ダニの数が非常に多く、感染力が強いのが特徴です。人によっては、かゆみがあまり目立たないこともあります。
疥癬と間違えやすい病気
疥癬は、湿疹、皮脂欠乏性湿疹などと見分けが難しいことがあります。ダニが確認できない場合、1回の診察だけで「疥癬ではない」と言い切るのが難しいこともあります。日本皮膚科学会のQ&Aでは、ステロイド外用でいったん軽快しても、その後再発や悪化を繰り返す場合は、疥癬の可能性を考えて再度受診するよう案内しています。
皮膚科で行う検査と診断
疥癬の診断では、顕微鏡検査やダーモスコピー検査を行います。皮膚からヒゼンダニ、虫卵、ふんなどを確認できれば診断が確定します。血液検査では疥癬を診断できません。
一方で、ダニを見つけるのは簡単ではなく、日本皮膚科学会のQ&Aでは、皮膚科専門医でもダニの検出率は**10〜60%**とされています。そのため、皮膚の症状、疥癬患者さんとの接触歴、流行状況などを総合して診断します。
皮膚科で行う治療
疥癬の治療では、ヒゼンダニを殺すことを目的とした飲み薬や塗り薬を使います。日本皮膚科学会のQ&Aでは、飲み薬としてイベルメクチン、塗り薬としてフェノトリンローション、イオウ剤、クロタミトンクリーム、安息香酸ベンジルなどが挙げられています。
塗り薬は、正常に見えるところも含めて、首から下の全身に塗り残しがないように使うことが大切です。手の届かないところ、手首、指の間、足、外陰部なども塗り忘れやすい部位とされています。かゆみに対しては、抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めを併用することがあります。
また、疥癬には潜伏期間があるため、患者さんと皮膚接触の機会があった方には、症状がなくても同時に治療を行う場合があります。ご家族内や施設内で広がりが心配な場合は、周囲の方も含めて相談することが大切です。
日常生活で気をつけたいこと
通常疥癬では、入浴時に手足の指の間や外陰部も丁寧に洗い、タオルなど肌に直接触れるものは自分だけで使うようにします。パジャマ、寝衣、下着は毎日交換し、雑魚寝や同室での就寝はうつし合うことがあるため注意が必要です。食事は感染とは関係ありません。
角化型疥癬では、感染力が強いため、できるだけ個室を使い、寝衣の交換や環境の清掃を丁寧に行います。入浴は最後にし、厚くなったあかが飛び散らないよう注意しながらふやかして落とすことが勧められています。
ご家族・介護施設で気をつけたいこと
通常疥癬では、患者さんに接する前後の手洗い、長時間の直接接触を避けること、同じ布団で寝ないこと、タオルなどを共用しないことが大切です。通常疥癬では、過剰な対応をとりすぎないことも重要とされています。
角化型疥癬では、手袋や予防着を使い、患者さんの洗濯物は50℃以上のお湯に10分以上浸した後に洗濯して十分乾かすこと、乾燥機を使う場合は通常の洗濯でもよいことが案内されています。施設では、重症の痂皮型疥癬は感染力が強いため隔離対応が必要と厚生労働省も案内しています。
治るまでの目安
しっかり治療した場合、2週間程度で症状は軽快するとされています。通常疥癬は3週間〜1か月で終息することが多いですが、治療内容によってはもう少し長くかかることがあります。角化型疥癬は、周囲の流行も含めて約2か月で終息の目安とされています。
また、疥癬は治ったあとでも、かゆい感覚だけが長く残ることがあります。治療後もしばらく皮膚のチェックを続けることが勧められています。
このようなときは早めにご相談ください
・夜間に強いかゆみが続く
・手のひらや指の間に線状の皮疹がある
・お腹や胸に赤いぶつぶつが広がっている
・ご家族や同居者にも同じようなかゆみがある
・高齢の方で、手足や耳、爪まわりに厚いあかがある
・湿疹として治療しても再発を繰り返す
・施設内、病院、療養環境で広がりが心配
・介護者や接触した方にも症状が出てきた
疥癬は、疑わしい場合にできるだけ早く皮膚科へ受診することが重要だと、厚生労働省も案内しています。特に角化型疥癬は感染力が強く、治療が遅れると広がりやすいため注意が必要です。
よくあるご質問
- 疥癬は不潔だからなるのですか
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疥癬は、不潔だから起こるというより、ヒゼンダニが皮膚にうつることで起こる感染症です。誰にでも起こりうる病気で、特に長時間の皮膚接触や、施設内での接触がきっかけになることがあります。
- 疥癬はすぐに症状が出ますか
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初めて感染した場合、通常疥癬では約1〜2か月たってから症状が出ることがあります。だからこそ、ご本人だけでなく、接触のあった方の確認も大切です。
- 治療したのにまだかゆいのですが大丈夫ですか
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治療がうまくいっていても、かゆみだけがしばらく残ることがあります。ただし、新しい皮疹が増える、家族にも症状が出る、かゆみが強くなる場合は再評価が必要です。
- 家族も受診したほうがよいですか
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はい。患者さんと皮膚接触の機会があった方や、同じようなかゆみ・皮疹がある方は、症状が軽くても相談したほうが安心です。場合によっては、症状がなくても同時に治療することがあります。
堺市で疥癬のご相談は皮ふ科眼科くめクリニックへ
皮ふ科眼科くめクリニックは、堺市の皮膚科・美容皮膚科として、地域に根差した診療を行っています。皮膚科専門医が、疥癬の症状やうつり方、ご家族や同居の方への配慮、通常疥癬か角化型疥癬かも含めて丁寧に確認し、状態に合わせた治療をご案内します。
最新の医療から往診、土曜日の午後・日曜日の診療と地域に根差した医療を行っています。
夜間の強いかゆみ、疥癬トンネル、赤いぶつぶつ、厚いあかのような皮疹でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。