魚鱗癬(ぎょりんせん)は、皮膚が非常に乾燥し、うろこ状の角質や粉ふきが目立つ病気の総称です。軽い乾燥に近いタイプから、出生時から全身に強い症状が出る重いタイプまで幅があり、遺伝性のものが多い一方で、大人になってから別の病気や薬がきっかけで起こる後天性魚鱗癬もあります。魚鱗癬は、ただの乾燥肌より強く、長く続きやすいのが特徴です。
皮ふ科眼科くめクリニックは堺市の皮膚科・眼科のクリニックで、院長は日本皮膚科学会認定皮膚科専門医です。皮膚科は土曜日午後・日曜日も診療しており、ご本人の移動が難しい場合は往診も相談可能です。
魚鱗癬とは
魚鱗癬は、皮膚の表面の角質が厚くなったり、はがれ方がうまくいかなかったりすることで、皮膚がごわごわして、魚のうろこやさめ肌のように見える病気です。皮膚の守る働きが弱くなるため、乾燥しやすく、ひび割れや刺激感を伴うことがあります。重いタイプでは、皮膚のつっぱり、汗をかきにくさ、感染しやすさなどが問題になることもあります。
このような症状はありませんか
腕や脚、体幹の皮膚が乾燥して白く粉をふく、皮膚がごわごわして硬い、うろこ状に見える、冬になると悪化しやすい、ひび割れやつっぱり感がある、子どものころから乾燥が強い、といった症状は魚鱗癬でみられます。尋常性魚鱗癬では、腕や脚の皮膚が乾燥して硬くなり、比較的軽症で、成長とともに落ち着くことがあります。
出生時から全身の皮膚が赤く、厚い角質に覆われるタイプや、水ぶくれ、びらん、まぶたやくちびるの反り返り、手のひらや足の裏の著しい角質肥厚を伴う重いタイプもあります。こうした重症の先天性魚鱗癬では、感染や脱水、体温調節の問題が起こることがあります。
主な種類
尋常性魚鱗癬
尋常性魚鱗癬は、比較的よくみられる軽いタイプで、子どもに多く、腕や脚の皮膚が乾燥してごわごわし、魚のうろこのように見えることがあります。乾燥以外の自覚症状は少ないことが多いものの、まれにかゆみを伴い、冬に悪化しやすいとされています。
先天性魚鱗癬
先天性魚鱗癬は、胎児の時から皮膚の角層が厚くなる病気で、出生時または新生児期から症状がみられます。日本では先天性魚鱗癬は指定難病160に位置づけられており、重症例では全身管理や専門的な治療が必要になります。
後天性魚鱗癬
大人になってから急に魚鱗癬のような乾燥や鱗屑が出てきた場合は、後天性魚鱗癬のことがあります。別の病気や薬が背景にあることがあり、腎臓の病気や一部のがん、薬剤などがきっかけになることがあるため、急に症状が出た場合は原因の確認が大切です。
原因
先天性の魚鱗癬は、遺伝子の変化によって起こることが分かっています。魚鱗癬の種類によって遺伝の仕方は異なり、親から受け継ぐ場合もあれば、突然変異として起こる場合もあります。尋常性魚鱗癬でも、皮膚のバリア機能が正常に働きにくくなることが関係しています。
皮膚科で行う検査
魚鱗癬の診断は、まず皮膚の見た目や分布、いつから続いているかといった経過をもとに行います。必要に応じて、皮膚を小さく取って顕微鏡で調べる検査や、血液などを使った遺伝子検査が行われることがあります。重い先天性魚鱗癬では、皮膚以外の合併症を確認するために、小児科、眼科、耳鼻科などと連携して調べることもあります。
魚鱗癬の治療
魚鱗癬では、病気そのものを完全になくす特効的な治療があるわけではなく、症状をやわらげる治療が基本になります。皮膚科では、保湿剤、尿素剤、サリチル酸ワセリンなどの角質をやわらかくする外用薬、必要に応じて活性型ビタミンD3外用薬などを使います。症状が強い場合には、**ビタミンA誘導体(レチノイド)**の内服が検討されることもありますが、副作用や妊娠への影響に注意が必要です。
大人になってから起こる後天性魚鱗癬では、背景にある病気や薬剤が原因の場合があり、その原因への対応で症状が改善することがあります。乾燥だけと決めつけず、必要に応じて全身の状態も確認しながら治療を考えていくことが大切です。
毎日のスキンケアで大切なこと
魚鱗癬では、毎日の保湿がとても大切です。入浴やシャワーのあと、皮膚がまだしっとりしているうちに保湿剤を塗ると、乾燥を抑えやすくなります。石けんで洗いすぎたり、こすりすぎたりすると悪化しやすいため、刺激の少ないケアを続けることが大切です。
頭皮に鱗屑が多い場合は、髪をぬらした状態でやさしくとかす工夫が役立つことがあります。使っている薬や保湿剤で刺激を感じる場合は、自己判断で続けず、皮膚科で相談しながら調整することが大切です。
このようなときは早めにご相談ください
保湿を続けても乾燥やうろこ状の皮膚が改善しない、ひび割れが痛い、赤みやかゆみが強い、皮膚がつっぱって動かしにくい、子どものころから強い乾燥が続いている、大人になってから急に症状が出てきた、このような場合は皮膚科での確認をおすすめします。魚鱗癬かどうか、ほかの乾燥性皮膚疾患ではないか、背景の病気がないかを見極めることが大切です。
よくあるご質問
- 魚鱗癬はうつりますか
-
魚鱗癬はうつる病気ではありません。遺伝的な背景によるものが多く、皮膚が触れたことでほかの人に広がる病気ではありません。
- 魚鱗癬は治りますか
-
魚鱗癬は、完全に治しきるのが難しいことが多く、長く付き合っていく病気です。ただし、保湿や外用治療で症状をやわらげることはでき、尋常性魚鱗癬のように成長とともに軽くなるタイプもあります。
- 子どもに多いですか
-
はい。魚鱗癬の中でも尋常性魚鱗癬は子どもに多く、幼少期から乾燥やごわごわした皮膚として気づかれることがあります。一方で、より重い先天性魚鱗癬は出生時や新生児期から症状がみられます。
- 魚鱗癬は指定難病ですか
-
先天性魚鱗癬は、日本で指定難病160です。ただし、魚鱗癬という言葉でまとめられる病気すべてが同じ制度の対象になるわけではないため、実際の病型や重症度に応じた確認が必要です。
堺市で魚鱗癬のご相談は皮ふ科眼科くめクリニックへ
皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、魚鱗癬かどうか、軽い尋常性魚鱗癬なのか、重い先天性のタイプなのか、あるいは大人になってから出てきた後天性魚鱗癬なのかも含めて丁寧に確認します。皮膚科は土曜日午後・日曜日も診療しており、往診も相談可能です。堺市で、乾燥が強い、うろこ状の皮膚、さめ肌のようなごわつき、子どもの頃から続く乾燥でお困りの方はご相談ください。