円形脱毛症は、頭髪の一部が円形や類円形に抜ける脱毛症です。小さな脱毛部分が1か所だけできることもあれば、複数できることもあり、重い場合には頭全体、さらに全身の毛まで抜けることがあります。眉毛、まつ毛、ひげ、体毛に症状が出ることもあり、年齢を問わずみられます。
現在では、円形脱毛症は自己免疫が関わる病気と考えられており、細菌やウイルスがうつって起こる脱毛症とは異なります。見た目の変化だけでなく、学校生活や仕事、人前に出るときの不安につながることもあり、症状の範囲や進み方に合わせた診療が大切です。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、円形脱毛症かどうか、ほかの脱毛症ではないか、治療が必要な段階かどうかを丁寧に確認し、状態に合わせてご案内します。急に脱毛が広がってきた方、何度も繰り返す方、お子さまの脱毛が心配な方も、お気軽にご相談ください。
円形脱毛症とは
円形脱毛症は、毛を作る毛包のまわりに炎症が起こり、免疫の働きが自分の毛包に向いてしまうことで毛が抜ける病気です。一般的には「10円玉のように円く抜ける」と表現されることがありますが、実際には形も大きさもさまざまで、単発だけとは限りません。
また、円形脱毛症は一度だけで終わる方もいれば、何度も再発する方もいます。小さな脱毛斑が自然に改善することもありますが、徐々に数が増えたり、範囲が広がったりする場合もあります。
このような症状はありませんか
・頭の一部に円い脱毛部分がある
・脱毛部分が1か所ではなく増えてきた
・急に抜け毛が増えた
・眉毛やまつ毛も抜けてきた
・ひげや体毛にも抜ける部分がある
・同じような脱毛を何度も繰り返している
・子どもの頭に円い脱毛がある
・脱毛の範囲が急に広がってきた
これらは、円形脱毛症でみられる代表的な症状です。重い場合には頭全体や全身に広がることもあります。
円形脱毛症の主なタイプ
円形脱毛症は、脱毛の数や広がり方でいくつかの型に分けられます。日本皮膚科学会のガイドラインでは、単発型、多発型、全頭型、汎発型、蛇行型、逆蛇行型、びまん型などに分類されています。
単発型
脱毛部分が1か所だけのタイプです。比較的よくみられる型で、小さい範囲なら自然に改善することもあります。
多発型
脱毛部分が複数みられるタイプです。数が増えていく場合は、早めの受診が大切です。
全頭型
脱毛が頭全体に広がった状態です。通常型より治りにくい傾向があります。
汎発型
頭髪だけでなく、眉毛、まつ毛、ひげ、体毛など全身の毛に脱毛が広がるタイプです。重症例にあたります。
生え際に帯状に出るタイプ
頭髪の生え際に帯状に脱毛するタイプもあり、これも比較的治りにくい型とされています。
円形脱毛症の原因
円形脱毛症は、ストレスだけで起こる病気ではありません。精神的なストレスがあったあとに始まる方はいますが、日本皮膚科学会では、ストレスは原因そのものというより、きっかけのひとつになりうると説明しています。乳児や幼児にも起こることがあり、「ストレスだけが原因」とは言えません。
一方で、円形脱毛症になりやすい遺伝的な体質があると考えられており、兄弟姉妹や親子でみられることもあります。アトピー素因、甲状腺の病気、膠原病などとの関連がいわれています。
円形脱毛症と間違えやすい病気
脱毛があるからといって、すべてが円形脱毛症とは限りません。日本皮膚科学会のQ&Aでは、抜毛癖は円形脱毛症と区別が難しいことがあるとされています。抜毛癖は毛を抜くことがなくなれば自然に治っていくため、診断がとても大切です。
また、**頭部白癬(しらくも)**も円形脱毛症と間違われることがあります。白癬では、フケのような細かい鱗屑がみられたり、髪が途中で折れたりしやすく、治療開始が遅れると悪化することがあります。
そのほか、甲状腺機能低下症、亜鉛欠乏、膠原病、感染症、休止期脱毛など、ほかの病気や体の状態が関係する脱毛もあります。自己判断で決めつけず、皮膚科で確認することが大切です。
皮膚科で大切な診察
円形脱毛症の診察では、いつから抜け始めたか、急に広がっているか、何度も繰り返しているか、眉毛やまつ毛にも症状があるか、ほかの病気がないかなどを確認します。脱毛の原因によって治療が変わるため、まず診断をきちんとつけることが重要です。
小さな脱毛斑が自然に良くなる方もいますが、再発を繰り返す場合、多発する場合、急激に広がる場合は、早めの診察が勧められています。特に急激に頭部全体へ広がる場合は、早期のしっかりした治療が有効なことがあります。
円形脱毛症の治療
円形脱毛症の治療は、年齢、脱毛の広さ、進行の早さ、慢性か急性かによって変わります。日本皮膚科学会の2024年ガイドラインでは、治療の選択肢は一つではなく、患者さん本人やご家族の希望、負担、生活背景も考えながら決めることが大切だとされています。治療せずに経過をみることも選択肢のひとつです。
小さい範囲・比較的軽い場合
成人の単発型や限られた多発型では、ステロイド局所注射が勧められています。脱毛部分が広くない場合に有効性が期待されますが、痛みがあり、小児では行いにくい面があります。
また、単発型から融合傾向のない多発型では、ステロイド外用療法も勧められています。塗り薬は取り入れやすく、世界的にも広く行われている治療です。
多発・広範囲の脱毛がある場合
広い範囲に脱毛がある場合には、局所免疫療法が選択肢になります。日本皮膚科学会の2024年ガイドラインでは、年齢を問わず、多発型、全頭型、汎発型などで症状が固定している例に行ってもよいとされています。
急速に広がる場合・重症例
急速に広範囲へ進む場合には、ステロイドを短期間集中的に使う治療が検討されることがあります。さらに、重症かつ難治の広範囲例では、ヤヌスキナーゼ阻害内服薬が保険適用となっており、適応や安全性を十分に確認したうえで用いられます。
そのほかの治療
紫外線療法、カルプロニウム塩化物外用、セファランチン内服、グリチルリチン・グリシン・メチオニン配合錠などが併用療法として使われることがあります。ただし、どの治療が合うかは症状によって異なります。
かつら・帽子について
円形脱毛症でかつらを使っても、治療の妨げにはなりません。日本皮膚科学会のQ&Aでも、かつらは治療に影響せず、学校生活や社会生活に前向きになれるなど、良い影響を与えることがあるとされています。見た目の不安が大きい方は、無理に我慢せず、生活しやすい方法を取り入れてよいと考えられます。
日常生活で気をつけたいこと
円形脱毛症そのものは、洗い方や整髪料だけで起こる病気ではありません。ただし、自己判断で民間療法に偏ったり、原因が違う脱毛症を円形脱毛症と思い込んで治療を遅らせたりしないことが大切です。脱毛の範囲が変わるときは、写真で記録しておくと診察時に役立ちます。
このようなときは早めにご相談ください
・初めて円い脱毛を見つけた
・脱毛部分の数が増えてきた
・急に広がってきた
・眉毛やまつ毛も抜けてきた
・子どもの脱毛が気になる
・何度も繰り返している
・ほかの脱毛症との違いが分からない
・見た目の変化で学校や仕事に支障が出ている
小さな脱毛斑が自然に改善することはありますが、再発、多発、拡大、急速進行がある場合は、早めの受診が勧められています。
よくあるご質問
- 円形脱毛症はストレスが原因ですか
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ストレスがきっかけになることはありますが、原因がそれだけとは言えません。日本皮膚科学会では、ストレスは「原因」よりも「誘因のひとつ」と説明しています。
- 円形脱毛症は自然に治りますか
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小さな脱毛斑では自然に改善する方もいます。ただし、再発したり、多発したり、徐々に広がったりする場合もあるため、経過をみすぎないことが大切です。
- 子どもでも円形脱毛症になりますか
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はい。子どもにもみられます。日本皮膚科学会のQ&Aでは、患者さんの4分の1は15歳以下で発症するとされています。
- 円形脱毛症は人にうつりますか
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円形脱毛症は、自己免疫が関わる脱毛症で、白癬のような感染症とは異なります。円形脱毛症と間違えやすい頭部白癬は感染症なので、区別が大切です。
- かつらや帽子を使っても大丈夫ですか
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はい。かつらは治療の妨げにはならないとされています。見た目の不安を減らし、日常生活を送りやすくするための選択肢のひとつです。
堺市で円形脱毛症のご相談は皮ふ科眼科くめクリニックへ
皮ふ科眼科くめクリニックは、堺市の皮膚科・美容皮膚科として、地域に根差した診療を行っています。皮膚科専門医が、円形脱毛症の範囲や進行のしかた、再発の有無、ほかの脱毛症との違いを丁寧に確認し、状態に合わせてご案内します。
最新の医療から往診、土曜日の午後・日曜日の診療と地域に根差した医療を行っています。
円形脱毛症が心配な方、脱毛が広がってきた方、お子さまの脱毛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。