アトピー性皮膚炎で、強いかゆみや赤み、湿疹が続き、外用治療だけでは十分な改善が得られずお困りの方へ。
サイバインコは、炎症に関わる働きを内側から調整する飲み薬です。広い範囲に皮疹があり、日常生活に支障が出ている方で、次の治療を考える際の選択肢の一つになります。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が在籍し、最新の医療から往診まで地域に根差した医療を20年以上続けています。
また、サイバインコは当院で治験に関わった薬剤でもあります。診察では、現在の症状やこれまでの治療経過を確認しながら、適応があるかを丁寧に判断します
サイバインコはどのようなお薬ですか
サイバインコは、アブロシチニブを有効成分とする飲み薬です。
ヤヌスキナーゼ(JAK)を阻害する薬で、炎症に関わる複数の物質の働きを調整し、アトピー性皮膚炎の赤み、かゆみ、湿疹などの改善を目指します。
ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬とは異なる仕組みで働くため、外用治療だけでは不十分な場合の治療選択肢になります。
サイバインコの適応
サイバインコの効能又は効果は、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎です。
具体的には、次のような場合に検討されます。
- ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬で適切に治療しても十分な効果が得られない
- 強い炎症を伴う皮疹が広い範囲に及んでいる
- かゆみで眠れない、集中できないなど、日常生活への影響が大きい
- 外用治療を続けていても症状を繰り返している
なお、サイバインコを使う場合も、病変の状態に応じて抗炎症外用薬を併用し、保湿外用薬も継続します。
当院とサイバインコ
当院は、サイバインコの治験に関わった経験があります。
そのため、治療の流れや注意点、副作用への配慮も含めて、患者さん一人ひとりの状況に合わせたご相談を大切にしています。
ただし、すべての方にこの治療が最適というわけではありません。
診察では、症状の重症度、これまでの治療、感染症の有無、結核の既往、B型肝炎やC型肝炎の有無、妊娠の可能性、授乳中かどうかなどを確認しながら、総合的に判断します。
サイバインコの適応年齢
サイバインコは、成人および12歳以上の小児が対象です。
一方で、12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。
そのため、ホームページでは、基本は成人と12歳以上の小児を対象とした治療としてご案内するのが分かりやすいです。
高齢の方では、帯状疱疹、リンパ球減少、血小板減少などの副作用がやや出やすいことがあるため、状態をみながら慎重に使用します。
サイバインコの用法用量
基本の用法用量
通常、成人および12歳以上の小児には100mgを1日1回内服します。
なお、患者さんの状態に応じて200mgを1日1回投与することがあります。
腎機能が低下している方
中等度または重度の腎機能障害がある方では、通常、50mgを1日1回使用します。
中等度の腎機能障害がある方では、状態に応じて100mgを1日1回使用することがあります。
併用薬による調整
強いCYP2C19阻害薬を使っている方では、通常、50mgを1日1回使用します。
状態に応じて100mgを1日1回使用することがあります。
用法用量のまとめ
| 対象 | 基本量 | 回数 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 成人・12歳以上の小児 | 100mg | 1日1回 | 状態に応じて200mgを1日1回まで増量することがあります |
| 中等度・重度の腎機能障害がある方 | 50mg | 1日1回 | 中等度では状態に応じて100mgになることがあります |
| 強いCYP2C19阻害薬を併用している方 | 50mg | 1日1回 | 状態に応じて100mgになることがあります |
効果の見直し時期
サイバインコは、通常、使い始めから12週までに治療反応が得られるとされています。
12週までに十分な効果が得られない場合は、投与中止を考慮します。
飲み方の注意点
- 1日1回、医師の指示どおりに服用します
- コップ1杯程度の水またはぬるま湯で飲みます
- 自己判断で中止したり、量を増減したりしないでください
- 飲み忘れた場合は、気が付いた時に1回分を飲みます
- 次の服用時間が近い場合は1回とばし、次の時間に1回分だけ飲みます
- 2回分をまとめて飲んではいけません
使用前に確認していること
サイバインコは、診察のうえで適応を慎重に判断するお薬です。
当院では、主に次のような点を確認しています。
- アトピー性皮膚炎の重症度
- これまでの外用治療や内服治療の内容
- 感染症の有無
- 結核の既往や感染の可能性
- B型肝炎やC型肝炎の有無
- 血液検査の値
- 腎機能や肝機能
- 妊娠中または妊娠している可能性
- 授乳中かどうか
- ほかの医療機関で使っている薬や健康食品
治療開始前には、必要に応じて問診、胸部X線検査、血液検査などを行います。
使用中に気をつけること
サイバインコは、免疫の働きに関わるお薬のため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
発熱、倦怠感、咳などがある場合は、早めにご相談ください。
また、使用中は次のような点にも注意が必要です。
- 結核の確認や経過観察が必要です
- 帯状疱疹や単純ヘルペスなど、ウイルスの再活性化に注意が必要です
- B型肝炎ウイルスの再活性化に注意が必要です
- 定期的な血液検査が必要です
- 生ワクチンの接種はできません
- 他院を受診する際は、サイバインコを服用中であることを伝えてください
併用に注意が必要なお薬
次のようなお薬を使っている場合は、受診時に必ずご相談ください。
- フルコナゾール、フルボキサミンなどの強いCYP2C19阻害薬
- リファンピシンなどのCYP2C19およびCYP2C9の強い・中程度の誘導薬
- ダビガトランエテキシラート、ジゴキシンなどのP-gp基質
- クロピドグレル
妊娠・授乳について
妊婦さん、または妊娠している可能性がある方には投与しません。
妊娠可能な方は、投与中および投与終了後一定期間は適切な避妊が必要です。
授乳中の方は、投与中は授乳しないことが望ましいとされています。
妊娠や授乳に関して不安がある方は、受診時に必ずご相談ください。
副作用について
サイバインコでは、特に感染症や血栓に注意が必要です。
重大な副作用として、次のようなものが報告されています。
- 感染症
- 静脈血栓塞栓症
- 血小板減少
- ヘモグロビン減少
- リンパ球減少
- 好中球減少
- 間質性肺炎
- 肝機能障害
- 消化管穿孔
比較的みられる副作用としては、次のようなものがあります。
- 悪心
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 疲労
- 上咽頭炎
- 上気道感染
- 毛包炎
- 頭痛
- めまい
- 体重増加
- 高脂血症
- ざ瘡
早めに相談したい症状
次のような症状がある場合は、早めに医師へご相談ください。
- 発熱、寒気、強いだるさ
- 咳、息切れ、息苦しさ
- 帯状の発疹や強い痛み
- 下肢の腫れや痛み
- 胸の痛み、急な息切れ
- 激しい腹痛、吐き気
- 鼻血、歯ぐきの出血
- 強いふらつき、意識が遠のく感じ
このような方はご相談ください
- アトピー性皮膚炎がなかなか改善しない方
- 外用治療だけでは十分な効果が得られない方
- かゆみで眠れない、生活に支障がある方
- 飲み薬による治療を検討したい方
- サイバインコが自分やお子さんに合うか知りたい方
よくあるご質問
- サイバインコは何歳から使えますか
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成人および12歳以上の小児が対象です。
12歳未満の小児を対象とした臨床試験は実施されていません。 - サイバインコはステロイドですか
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いいえ。サイバインコはステロイドではありません。
炎症に関わる働きを調整する飲み薬です。 - 1日何回飲みますか
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通常は1日1回です。
基本は100mgで、症状に応じて200mgになることがあります。 - 外用薬はやめてもいいですか
-
原則として、病変の状態に応じて抗炎症外用薬を併用し、保湿外用薬も続けます。
自己判断で外用治療をやめず、診察で相談しながら調整します。 - どのくらいで効果が分かりますか
-
通常、使い始めから12週までが一つの目安です。
効果が十分でない場合は、治療方針を見直します。 - 妊娠中でも使えますか
-
妊娠中、または妊娠している可能性がある方には使用できません。
妊娠の可能性がある方は、受診時に必ずご相談ください。