堺市の皮膚科・美容皮膚科の皮ふ科眼科くめクリニックです。
当院には皮膚科専門医が在籍しており、最新の医療から往診、土曜日午後・日曜日の診療まで、地域に根差した医療を続けています。
乾癬は、皮膚の赤み、厚みのある皮疹、銀白色のかさぶたのような鱗屑、かゆみ、爪の変化、関節の痛みなどを伴うことがある慢性の皮膚疾患です。外用薬や紫外線療法、内服薬で治療を行っても、皮疹が広範囲に残る場合や、日常生活への影響が大きい場合には、生物学的製剤という注射薬を検討することがあります。
**ビンゼレックス(一般名:ビメキズマブ)**は、乾癬の炎症に関係するIL-17AとIL-17Fの働きを抑える生物学的製剤です。従来の治療で十分な効果が得られない乾癬に対して、症状や重症度、既往歴、検査結果を確認したうえで、治療選択肢の一つとして検討されます。
当院は日本皮膚科学会の乾癬分子標的薬使用承認施設であり、当院は乾癬分子標的薬の使用について必要な体制を整えています。

ビンゼレックスとは
ビンゼレックスは、皮膚や関節の炎症に関係する物質であるIL-17AとIL-17Fを抑える注射薬です。
乾癬では、免疫の働きが過剰になり、皮膚の炎症や角化の異常が起こることで、赤く盛り上がった皮疹や、白いかさぶたのような鱗屑がみられます。
ビンゼレックスは、こうした炎症に関わる経路を抑えることで、乾癬の症状改善を目指す治療薬です。
ただし、乾癬を完全に治して二度と出なくする薬ではなく、症状をコントロールしながら生活の質を保つことを目的に使用します。
ビンゼレックスが検討される主な疾患
ビンゼレックスは、適応を満たす場合に、次のような疾患で検討されます。
- 尋常性乾癬
- 膿疱性乾癬
- 乾癬性紅皮症
- 乾癬性関節炎
- 強直性脊椎炎
- X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎
- 化膿性汗腺炎
皮膚科のホームページとしては、特に尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎を中心に説明すると、検索されやすく、患者さんにも伝わりやすい構成になります。
このような乾癬でお悩みの方はご相談ください
次のような方は、ビンゼレックスを含む生物学的製剤の適応を確認する価値があります。
- 塗り薬だけでは皮疹がなかなか落ち着かない
- 紫外線療法や内服薬を行っても十分な効果が得られない
- 頭皮、爪、手足、陰部など、治りにくい部位に症状がある
- 皮疹が広範囲にあり、服装や入浴、人目が気になる
- かゆみや痛みで睡眠や仕事に支障がある
- 関節の痛み、腫れ、朝のこわばりがある
- 乾癬性関節炎が心配
- これまでの治療で満足できる状態まで改善していない
乾癬の治療は、皮膚の見た目だけでなく、かゆみ、痛み、関節症状、生活への影響を含めて考えることが大切です。
投与スケジュールの目安
ビンゼレックスの投与量や投与間隔は、対象となる病気によって異なります。
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症では、通常、成人に対して初回から16週までは4週間隔、その後は8週間隔で投与する方法が添付文書に記載されています。患者さんの状態によっては、16週以降も4週間隔で投与されることがあります。
乾癬性関節炎や体軸性脊椎関節炎では、通常、4週間隔での投与が記載されています。化膿性汗腺炎では、初回から16週までは2週間隔、その後は4週間隔で投与する方法が記載されています。
実際の投与量や投与間隔は、病名、重症度、体調、検査結果、これまでの治療歴を確認したうえで医師が判断します。
治療前に確認すること
ビンゼレックスは免疫の働きに関わる薬のため、治療前と治療中の安全確認が重要です。
添付文書では、感染症への注意、結核に関する問診・胸部X線検査・インターフェロンγ遊離試験またはツベルクリン反応検査などによる確認、生ワクチン接種を行わないことなどが記載されています。
当院では、必要に応じて以下のような点を確認しながら、治療の適応を慎重に判断します。
- 現在の乾癬の重症度
- これまで行った外用薬、紫外線療法、内服薬、生物学的製剤の内容
- 感染症の有無
- 結核の既往やリスク
- 炎症性腸疾患の有無
- 妊娠・授乳の可能性
- 他の病気や内服薬
- 通院・自己注射の可否
- 費用面の不安
注意すべき副作用
ビンゼレックスでは、感染症、口腔カンジダ症、上気道感染、毛包炎、白癬、単純ヘルペス、注射部位反応などが報告されています。重大な副作用として、重篤な感染症、好中球数減少、炎症性腸疾患、重篤な過敏症反応が添付文書に記載されています。
治療中に次のような症状がある場合は、早めにご相談ください。
- 発熱が続く
- 咳が長引く
- 強いだるさがある
- 口の中が白くなる、痛い
- 下痢や腹痛が続く
- 注射部位の腫れや赤みが強い
- いつもと違う皮疹が出てきた
副作用を過度に怖がる必要はありませんが、早めに気づいて対応することが大切です。
ビンゼレックスと費用について
ビンゼレックスは保険診療で使用される薬剤ですが、生物学的製剤は薬剤費が高額になることがあります。
自己負担額は、保険の負担割合、投与量、投与間隔、同じ月に受けた検査や診察内容、高額療養費制度の利用状況によって変わります。
高額療養費制度は、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が一定の上限額を超えた場合、その超えた額が支給される制度です。上限額は年齢や所得によって異なります。
費用が心配な方も、診察時にご相談ください。
当院での相談の流れ
1. 乾癬の状態を確認します
皮疹の範囲、赤み、厚み、かゆみ、爪の変化、頭皮や手足の症状、関節の痛みなどを確認します。
これまで使用した薬や治療歴も大切です。
2. ビンゼレックスが適しているか確認します
ビンゼレックスが合うかどうかは、乾癬のタイプ、重症度、既往歴、感染症リスク、通院しやすさなどを総合的に見て判断します。
3. 必要な検査を行います
治療開始前には、感染症や結核などの確認が必要です。
必要に応じて、血液検査、胸部画像検査、結核に関する検査などを行います。
4. 治療選択肢を一緒に考えます
乾癬治療には、外用薬、紫外線療法、内服薬、生物学的製剤など、さまざまな選択肢があります。
ビンゼレックスだけに限らず、患者さんの症状や生活に合った治療を一緒に考えます。
5. 治療後も定期的に確認します
治療を開始した後も、皮膚の状態、副作用、感染症の有無、関節症状、生活への影響を確認しながら継続します。
皮ふ科眼科くめクリニックにご相談ください
乾癬は、長く付き合うことが多い病気です。
「もう治らない」とあきらめる前に、現在の症状に合った治療を見直すことで、生活が楽になることがあります。
皮ふ科眼科くめクリニックでは、外用薬、紫外線療法、内服薬、生物学的製剤を含め、患者さんの状態に合わせた治療を検討します。
乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、乾癬性関節炎、ビンゼレックスなどの生物学的製剤について相談したい方は、受診時にお申し出ください。
よくある質問
- ビンゼレックスは乾癬なら誰でも使えますか?
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いいえ。すべての乾癬の方に使う薬ではありません。
既存治療で十分な効果が得られない場合、皮疹の範囲が広い場合、難治性の皮疹や膿疱がある場合などに、医師が適応を確認して検討します。 - 関節の痛みにも関係がありますか?
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乾癬の方では、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりを伴う乾癬性関節炎がみられることがあります。
ビンゼレックスは乾癬性関節炎にも適応があります。関節症状がある方は、皮膚症状とあわせてご相談ください。 - 注射は毎週必要ですか?
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病気の種類によって投与間隔が異なります。
尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症では、初期は4週間隔、その後は8週間隔が基本として記載されていますが、患者さんの状態によって異なります。 - 副作用はありますか?
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あります。感染症、口腔カンジダ症、上気道感染、注射部位反応などに注意が必要です。
重い感染症や結核のリスクもあるため、治療前と治療中の確認が大切です。 - 自己注射はできますか?
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自己注射が可能かどうかは、医師が適応を慎重に判断します。
自己注射を行う場合は、注射方法、副作用が疑われる時の対応、廃棄方法などを十分に理解したうえで行います。 - 費用が心配です。
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保険の負担割合や高額療養費制度の利用によって自己負担額が変わるため、診察時にご相談ください。