繰り返す蕁麻疹でお困りの方へ。
飲み薬を続けていても改善が不十分で、かゆみや膨疹のために日常生活に支障が出ている場合、注射による治療が選択肢になることがあります。
ゾレアは、アレルギー反応に関わる IgE の働きを抑える注射薬です。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が在籍し、最新の医療から往診まで地域に根差した医療を20年以上続けています。
また、ゾレアは当院で治験に関わった薬剤でもあります。診察では、現在の症状やこれまでの治療経過を確認しながら、適応があるかを丁寧に判断します。
※日本での承認適応には気管支喘息や季節性アレルギー性鼻炎もありますが、このページでは皮膚科でご相談の多い「特発性の慢性蕁麻疹」を中心にご案内しています。
ゾレアはどのようなお薬ですか
ゾレアは、アレルギー反応に関わる IgE に働きかける生物学的製剤です。
IgE と受容体の結びつきを抑えることで、肥満細胞や好塩基球などの炎症細胞が活性化しにくくなり、蕁麻疹の症状の改善を目指します。
「抗ヒスタミン薬を飲んでいても、かゆみや膨疹が何度も出る」「夜も眠れない」「仕事や家事に支障がある」といった場合に、治療の選択肢の一つになります。
皮膚科での主な適応
ゾレアは、**特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者さん)**に使われます。
具体的には、次のような場合に検討されます。
- 食べ物や物理的刺激など、はっきりした原因が特定できない
- 抗ヒスタミン薬の増量など、適切な治療を行っても十分な改善が得られない
- かゆみを伴う膨疹が繰り返し続いている
- 日常生活に支障が出ている
当院とゾレア
当院は、ゾレアの治験に関わった経験があります。
そのため、治療の流れや注意点、副作用への配慮も含めて、患者さん一人ひとりの状況に合わせたご相談を大切にしています。
ただし、治験に関わった経験があることだけで、すべての方にこの治療が最適というわけではありません。
診察では、症状の経過、これまでの治療、現在服用中のお薬、妊娠の可能性、授乳中かどうかなどを確認しながら、総合的に判断します。
ゾレアの適応年齢
ゾレアのうち、特発性の慢性蕁麻疹に対する適応は、成人および12歳以上の小児です。
一方で、12歳未満のお子さんを対象とした臨床試験は実施されていません。
そのため、ホームページ上では、12歳以上が対象とご案内するのが分かりやすいです。
高齢の方では、一般に生理機能が低下していることがあるため、全身状態を確認しながら慎重に使用します。
ゾレアの用法用量
特発性の慢性蕁麻疹に対しては、通常、1回300mgを4週間ごとに皮下注射します。
用法用量のまとめ
| 対象 | 1回量 | 投与間隔 | 投与方法 |
|---|---|---|---|
| 特発性の慢性蕁麻疹 | 300mg | 4週間ごと | 皮下注射 |
治療効果の見直し時期
ゾレアは、使い始めてすぐにすべての方で効果が出るわけではありません。
一般的には、約12週間(約3か月)使用しても効果が十分に認められない場合は、漫然と続けず治療方針を見直します。
投与のしかたについて
ゾレアは注射薬です。
医療機関で投与する場合のほか、医師の判断のもとで自己注射となる場合があります。自己注射を行う場合は、医師・薬剤師・看護師から十分な説明を受けてから開始します。
受診前に確認していること
ゾレアは、診察のうえで適応を慎重に判断するお薬です。
当院では、主に次のような点を確認しています。
- 蕁麻疹がどのくらいの期間続いているか
- かゆみや膨疹の頻度、強さ
- 日常生活への影響
- これまで使ってきた抗ヒスタミン薬や他の治療
- 明らかな誘因があるかどうか
- 妊娠中または妊娠の可能性
- 授乳中かどうか
- 他の医療機関で処方されている薬
このような方はご相談ください
- 飲み薬だけでは蕁麻疹がなかなか良くならない方
- かゆみで眠れない、集中できない方
- 何度も膨疹を繰り返している方
- 日常生活に支障が出ている方
- ゾレアが自分に合うか知りたい方
副作用について
ゾレアでは、ショック、アナフィラキシーなどの重いアレルギー反応に注意が必要です。
投与後2時間以内に起こることが多いですが、それ以降に出ることもあり、長期間の定期投与後に起こることもあります。
比較的みられる副作用としては、次のようなものがあります。
- 注射部位の赤み、腫れ、かゆみ、痛み
- 頭痛
- 鼻のかぜ症状
- 疲労感
- 眠気、めまい
早めに相談したい症状
次のような症状がある場合は、早めに医師へご相談ください。
- 息苦しさ
- のどの違和感、声のかすれ
- 強いめまい、ふらつき
- 全身のかゆみやじんましんの急な悪化
- 注射後の強い体調不良
使用中の注意点
- 自己判断で治療を中止しないでください。
- 他の医療機関を受診する際は、ゾレアを使用していることを伝えてください。
- 妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず事前にご相談ください。
- 授乳中の方も、受診時にご相談ください。
- めまい、疲労、失神、眠気でぼんやりすることがあるため、運転や危険を伴う作業には注意が必要です。
妊娠・授乳について
妊婦さん、または妊娠している可能性がある方では、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与されます。
授乳中の方では、治療上の必要性と母乳栄養の有益性を考慮して判断します。
不安がある方は、受診時に必ずご相談ください。
よくあるご質問
- ゾレアは何歳から使えますか
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特発性の慢性蕁麻疹に対しては、成人および12歳以上の小児が対象です。
12歳未満のお子さんを対象とした臨床試験は実施されていません。 - ゾレアはステロイドですか
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いいえ。ゾレアはステロイドではありません。
IgE に働きかける生物学的製剤です。 - どのくらいの間隔で注射しますか
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通常は、4週間ごとに1回注射します。
- どのくらいで効果が分かりますか
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個人差はありますが、一般的には約12週間(約3か月)を一つの目安に、効果を評価します。
- 自己注射はできますか
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医師が適切と判断した場合には、自己注射となることがあります。
開始前には、医師、薬剤師、看護師から十分な説明を受けます。 - 妊娠中でも使えますか
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妊娠中、または妊娠している可能性がある方は、必ず事前にご相談ください。
診察では、治療上の必要性を踏まえて慎重に判断します。