堺市の皮膚科・美容皮膚科の皮ふ科眼科くめクリニックです。
皮膚科専門医が在籍しています。
最新の医療から往診、土曜日午後・日曜日の診療まで、地域に根差した医療を行っています。
「じんましんが何週間も続いている」
「夕方から夜にかけて、かゆみや赤いふくらみが出る」
「薬を飲んでいるのに、症状が十分に落ち着かない」
「原因が分からないじんましんをくり返している」
「かゆみで眠れない、仕事や家事に集中できない」
このようなお悩みは、慢性特発性蕁麻疹の可能性があります。
日本皮膚科学会の蕁麻疹診療ガイドライン2026では、発症から6週間以内を急性特発性蕁麻疹、6週間を超えるものを慢性特発性蕁麻疹としています。
慢性特発性蕁麻疹とは
慢性特発性蕁麻疹とは、明らかな直接の原因が特定できないまま、じんましんの症状を長期間くり返す病気です。
じんましんでは、皮膚に赤みを伴うふくらみ、いわゆる膨疹が出ます。
多くの場合、強いかゆみを伴い、膨疹は出たり消えたりします。
MSDマニュアルでも、蕁麻疹は急性と慢性に分類され、慢性蕁麻疹の原因としては特発性や自己免疫疾患が多いと説明されています。
このような症状はありませんか?
| 症状 | 慢性特発性蕁麻疹でよくあるお悩み |
|---|---|
| じんましんが長く続く | 6週間以上、膨疹やかゆみをくり返す |
| 夜に出やすい | 夕方から夜にかけて、かゆみや膨疹が出る |
| 出たり消えたりする | 朝は少ないのに夜に増える、場所が変わる |
| 原因が分からない | 食べ物や環境を変えても原因がはっきりしない |
| 薬で十分に落ち着かない | 抗ヒスタミン薬を飲んでも症状が残る |
| 生活に支障がある | 睡眠、仕事、家事、学校生活、外出に影響する |
蕁麻疹の皮疹は、診察時に消えていることもあります。
そのため、症状が出ている時の写真をスマートフォンで撮っておくと、診察の参考になります。
慢性特発性蕁麻疹の特徴
1. 膨疹が出たり消えたりする
慢性特発性蕁麻疹では、赤く盛り上がった膨疹が出たり消えたりします。
膨疹の形は、丸いもの、地図のような形、環状のものなどさまざまです。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、個々の皮疹は数十分から数時間以内に消えることが多い一方、2〜3日持続する例もあるとされています。
2. 食べ物だけが原因とは限らない
じんましんというと「食べ物のアレルギーですか?」と心配される方が多いですが、慢性特発性蕁麻疹では、特定の食べ物だけが原因とは限りません。
感染、疲労、ストレス、薬剤、自己免疫的な要素などが背景や悪化因子になることがあります。ガイドラインでも、感染、食物、疲労・ストレス、自己抗体などが背景・悪化因子となり得るとされています。
3. 原因が分からなくても治療はできます
「原因が分からないなら治療できないのでは」と思われる方もいますが、慢性特発性蕁麻疹では、原因を一つに決めることよりも、症状をしっかり抑える治療が大切です。
抗ヒスタミン薬を中心に、症状の出方や生活への影響を見ながら治療を調整します。
慢性特発性蕁麻疹と間違えやすい病気
慢性特発性蕁麻疹と思っていても、別の病気が隠れていることがあります。
| 病気・状態 | 特徴 |
|---|---|
| 急性蕁麻疹 | 6週間以内に落ち着くことが多い |
| 物理性蕁麻疹 | 寒冷、温熱、圧迫、こすれなどで誘発される |
| コリン性蕁麻疹 | 運動、入浴、発汗などで小さな膨疹が出る |
| 接触蕁麻疹 | 特定の物質が触れた部位に出る |
| 蕁麻疹様血管炎 | 皮疹が長く残る、痛み、紫斑、色素沈着を伴うことがある |
| 薬剤による蕁麻疹 | 薬、サプリメント、健康食品などが関係することがある |
| 血管性浮腫 | まぶた、唇、顔、舌などが腫れる |
とくに、同じ場所の皮疹が48時間以上続く、痛みが強い、紫斑や色素沈着が残る、発熱や関節痛を伴う場合は、通常の蕁麻疹以外の病気も考える必要があります。MSDマニュアルでも、48時間以上持続する蕁麻疹、潰瘍、色素沈着、全身症状などは注意すべき所見として挙げられています。
早めの受診をおすすめする症状
以下のような場合は、皮膚科での診察をおすすめします。
- じんましんが6週間以上続いている
- 夕方から夜にかけて症状が出やすい
- かゆみで眠れない
- 仕事、家事、学校生活に支障がある
- 市販薬で改善しない
- 抗ヒスタミン薬を飲んでも十分に落ち着かない
- まぶた、唇、顔が腫れることがある
- 膨疹が48時間以上同じ場所に残る
- 痛み、紫斑、発熱、関節痛を伴う
- 原因が分からず不安が強い
特に、唇・舌・のどの腫れ、息苦しさ、喘鳴、呼吸困難がある場合は、通常の外来受診ではなく、救急対応が必要になることがあります。血管性浮腫では、顔面・口唇・舌などが腫れ、喉頭浮腫や舌腫脹により気道閉塞が起こると生命を脅かす場合があるとされています。
当院での診察
慢性特発性蕁麻疹の診察では、皮膚の状態だけでなく、症状の出方、生活への影響、薬の使用状況、悪化しやすいタイミングなどを確認します。
診察で確認すること
- いつからじんましんが出ているか
- 6週間以上続いているか
- どの時間帯に出やすいか
- どの部位に出やすいか
- 膨疹がどのくらいで消えるか
- まぶた、唇、顔の腫れがあるか
- 食事、運動、入浴、発汗、寒冷、圧迫との関係
- 使用中の薬、サプリメント、健康食品
- アレルギー歴
- 甲状腺疾患、自己免疫疾患などの既往
- 睡眠や日常生活への影響
症状が出ている時の写真があると、診断の参考になります。
検査について
慢性特発性蕁麻疹では、すべての方に大量のアレルギー検査が必要なわけではありません。
問診や診察で、特定の原因や関連疾患が疑われる場合に、必要な検査を検討します。
必要に応じて、以下のような検査を行うことがあります。
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 血液検査 | 炎症、肝機能、腎機能、貧血などの確認 |
| 甲状腺関連検査 | 甲状腺疾患との関連確認 |
| アレルギー検査 | 食物、薬剤、環境因子などが疑われる場合 |
| 感染症関連検査 | 必要に応じて確認 |
| 皮膚生検 | 蕁麻疹様血管炎などが疑われる場合 |
MSDマニュアルでは、再発・持続する蕁麻疹では必要に応じた評価を行い、血算、血液生化学、肝機能、TSHなどを検討するとされています。
慢性特発性蕁麻疹の治療
慢性特発性蕁麻疹の治療では、症状を抑え、生活の質を改善することを目指します。
1. 悪化因子を確認する
慢性特発性蕁麻疹では、原因が一つに決まらないことも多いですが、悪化しやすい要因を見つけることは大切です。
悪化因子としては、以下のようなものがあります。
- 疲労
- 睡眠不足
- ストレス
- 入浴や体温上昇
- 発汗
- 圧迫やこすれ
- 飲酒
- NSAIDsなど一部の薬剤
- 感染症
- 月経周期
- 体調不良
「完全に避ける」ことが難しいものもありますが、症状の波を知ることで治療を調整しやすくなります。
2. 抗ヒスタミン薬
慢性特発性蕁麻疹の基本となる治療は、抗ヒスタミン薬です。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、鎮静性の低い第2世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬として推奨されています。また、抗ヒスタミン薬の効果には個人差があり、十分な効果が得られない場合は、他の薬への変更、追加、増量などを検討するとされています。
症状が出た時だけ飲むよりも、医師の指示に従って継続的に内服した方が、症状を安定して抑えやすい場合があります。
3. 薬の調整
一つの抗ヒスタミン薬で十分に改善しない場合でも、薬の種類を変える、飲むタイミングを調整する、別の薬を組み合わせるなどで改善することがあります。
ガイドラインでは、抗ヒスタミン薬の効果は個人差があり、1つの薬の効果は基本的に1〜2週間継続して内服した後に判断するとされています。また、国際ガイドラインでは単剤増量も推奨されていますが、日本では4倍量の保険適用はないとされています。
4. 難治例の治療
抗ヒスタミン薬を調整しても症状が十分に抑えられない場合、重症度や生活への影響をみながら、追加治療を検討することがあります。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、慢性特発性蕁麻疹に対する治療として、抗ヒスタミン薬のほか、オマリズマブ、シクロスポリンなどの治療についても整理されています。抗ヒスタミン薬で不十分な慢性特発性蕁麻疹に対するオマリズマブの有効性に関する報告も示されています。
実際にどの治療が適しているかは、症状の程度、年齢、持病、使用中の薬、通院のしやすさ、費用、保険適用条件などを確認して判断します。
ステロイドについて
蕁麻疹が強い時に、短期間だけステロイド内服を検討することがあります。
しかし、慢性蕁麻疹でステロイドを長期間続けることは、副作用の面から注意が必要です。
MSDマニュアルでも、全身性コルチコステロイドは症状が重度の場合に使用されることがある一方、長期使用は避けるべきとされています。また、外用ステロイドや外用抗ヒスタミン薬は蕁麻疹の治療として有益ではないと説明されています。
ご自宅で気をつけること
症状の記録をつける
じんましんが出た時間、場所、食事、入浴、運動、飲酒、薬、体調などを簡単に記録しておくと、悪化因子を見つける手がかりになります。
写真を撮る
受診時に皮疹が消えていることも多いため、症状が出た時に写真を撮っておくと役立ちます。
かき壊しを防ぐ
強く掻くと皮膚が傷つき、湿疹化したり色素沈着が残ったりすることがあります。爪を短く整え、かゆい時は冷やすなどの工夫をしましょう。
熱いお風呂を避ける
体が温まるとかゆみが強くなる方がいます。熱いお湯や長湯を避け、入浴後に症状が出やすい方は医師に相談してください。
自己判断で薬を中止しない
症状が落ち着いたからといって急に薬をやめると、再びじんましんが出ることがあります。薬の減らし方は医師と相談しましょう。
慢性特発性蕁麻疹は「体質」だけで片づけないことが大切です
慢性特発性蕁麻疹は、原因がはっきりしないことが多い病気です。
しかし、「体質だから仕方がない」と我慢し続ける必要はありません。
症状を記録し、皮膚科で診察を受け、薬を調整することで、日常生活への影響を減らせる可能性があります。
かゆみや膨疹が続くと、睡眠、仕事、家事、学校生活、外出、人との予定にも影響します。
じんましんが長引いている方は、一度皮膚科でご相談ください。
当院で相談できること
皮ふ科眼科くめクリニックでは、慢性特発性蕁麻疹、慢性じんましん、急性蕁麻疹、物理性蕁麻疹、コリン性蕁麻疹、血管性浮腫など、かゆみや膨疹を伴う皮膚疾患を診察しています。
「じんましんが治らない」
「薬を飲んでも出てくる」
「原因が分からなくて不安」
「夜にかゆくて眠れない」
「治療を見直したい」
このようなお悩みがある方は、ご相談ください。
受診の目安
以下に当てはまる方は、受診をおすすめします。
- じんましんが6週間以上続いている
- かゆみで眠れない
- 毎日またはほぼ毎日、膨疹が出る
- 市販薬でよくならない
- 抗ヒスタミン薬を飲んでも十分でない
- 顔や唇が腫れる
- 皮疹が長く残る
- 痛み、紫斑、発熱、関節痛がある
- 何科に相談すればよいか分からない
- 慢性蕁麻疹の治療を見直したい