中毒疹は、全身に急に広がる発疹をまとめて表現するときに使われる総称です。日本ではよく使われる言葉ですが、国際的にはあまり一般的ではありません。体の外から入った物質や、体内でつくられた物質がきっかけになって、皮膚に反応性の発疹が出る状態を指します。
中毒疹では、全身に左右対称性の赤い発疹が出ることが多く、原因としては薬剤、ウイルス感染、細菌感染、食べ物などが考えられます。ただし、初診の時点では原因を特定できないことも少なくありません。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、中毒疹という状態なのか、薬疹なのか、感染症に伴う発疹なのか、重症薬疹の可能性がないかを丁寧に確認し、状態に合わせてご案内します。全身に赤い発疹が出た方、薬を飲んだあとに発疹が出た方、発熱やのどの痛みを伴う方は、お早めにご相談ください。
中毒疹とは
中毒疹は、病名というより、原因を含めてまだ評価中の全身性発疹に対して使われることがある言葉です。日本臨床皮膚科医会雑誌に掲載された報告では、教科書的な定義として「体外性物質が体内に入り、あるいは体内で産生された物質が生体に障害を与え、その結果生じた発疹症」とされ、日本では反応性の皮疹の総称として用いられる一方、国際的にはほとんど用いられないと紹介されています。
つまり、中毒疹という言葉が使われていても、それで原因が確定しているわけではありません。経過や検査で原因が分かれば、薬疹、ウイルス性発疹症、細菌感染に伴う発疹など、より具体的な診断に変わっていきます。
このような症状はありませんか
中毒疹では、次のような症状がみられます。皮疹の見え方は一つではなく、赤みだけのこともあれば、ぶつぶつ、水ぶくれ、紫斑を伴うこともあります。
・全身に急に赤い発疹が出た
・左右対称に発疹が広がっている
・細かいぶつぶつが出ている
・かゆみがある
・発熱を伴っている
・のどの痛みやリンパ節の腫れがある
・薬を飲み始めたあとに発疹が出た
・目、口、くちびる、陰部にしみる・ただれる症状がある
・水ぶくれや皮むけがある
主な原因
中毒疹の原因はさまざまです。特に皮膚科では、薬剤によるものと、ウイルスや細菌などの感染に伴うものをまず考えます。ほかに、食べ物や造影剤などが関わることもあります。
薬剤による中毒疹
薬が原因と分かった場合は、通常は薬疹と呼びます。日本皮膚科学会では、薬疹は薬を内服したり注射したりして起こる発疹で、多くはアレルギー性薬疹だと説明しています。新しい薬を飲み始めてから1〜2週間ほどで発症することが多いとされています。
感染症に伴う中毒疹
ウイルスや細菌の感染に伴って、全身性の発疹が出ることがあります。皮疹が出る前や同時期に、発熱、咽頭痛、リンパ節の腫れなどがみられる場合は、感染症に伴う中毒疹を考える手がかりになります。
食べ物・その他
中毒疹という総称の中には、食べ物、体内でつくられた何らかの物質、造影剤などが関わるものも含まれます。初診だけで原因を一つに決めきれないこともあるため、経過をみながら原因を絞っていくことがあります。
薬疹との違い
中毒疹と薬疹は、診察の場ではしばしば区別が難しいです。薬疹は、薬剤が原因と考えられる発疹で、新しく始めた薬の時期や皮疹の分布が手がかりになります。一般に、体幹優位に出る発疹では薬疹を、手足の末端に目立つ発疹では感染症に伴う発疹を考えることが多いとされていますが、これはあくまで目安であり、見た目だけで断定はできません。
また、全身に皮疹が出ている場合でも、原因が薬剤ではなく感染症のこともあるため、両方の可能性を考える必要があります。高齢者の薬疹の総説でも、その点が重要とされています。
すぐに相談したい重症サイン
中毒疹の中には、重症薬疹が隠れていることがあります。特に次のような症状がある場合は、早めの受診が必要です。
・38度以上の高熱がある
・強い全身倦怠感がある
・口の中やくちびるがただれる
・目が赤い、目やにが出る、目がしみる
・陰部がしみる、ただれる
・水ぶくれが出てきた
・皮膚がむけてきた
・かゆみよりも痛みが強い
・顔のむくみが強い
・発疹が短時間でどんどん広がる
スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症では、高熱や全身倦怠感を伴い、皮膚や粘膜に紅斑、びらん、水疱が多発し、命に関わることがあります。薬剤性過敏症症候群でも、高熱や多臓器障害を伴い、薬をやめたあとも長引くことがあります。
皮膚科で大切な診察
中毒疹の診察では、何をいつから使ったか、発疹はいつ出たか、発熱やのどの痛みがあるか、粘膜症状があるかを詳しく確認します。処方薬だけでなく、市販薬、外用薬、ワクチン、造影剤なども大切な情報です。
必要に応じて、血液検査や、皮膚の一部を採って調べる検査が行われることがあります。感染症が疑われる場合は、発熱と発疹の時間関係や、疑わしい病原体を考えながら評価していきます。
治療
中毒疹の治療で最も大切なのは、原因を見極めて、それに応じた対応をすることです。原因が薬剤なら薬疹として対応し、感染症が関与していればその評価や治療を行います。
軽い場合は、自然に落ち着くかをみながら、必要に応じてかゆみや炎症を抑える治療を行います。薬疹が疑われる場合は、被疑薬の確認が重要です。
一方で、重症薬疹が疑われる場合は、外来で様子を見るのではなく、入院での集中的な治療が必要になることがあります。日本皮膚科学会のガイドラインでも、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群では、早い対応がとても重要とされています。
日常生活で気をつけたいこと
中毒疹が疑われるときは、発疹が出る前後に使った薬や食品、体調の変化を記録しておくことが診断の助けになります。特に、新しく始めた薬、市販薬、解熱鎮痛薬、抗菌薬などは忘れずに伝えることが大切です。
また、発熱、粘膜症状、水ぶくれ、皮むけなどが出てきた場合は、軽い発疹と思い込まず、早めに医療機関へ相談してください。
このようなときはご相談ください
・全身に赤い発疹が急に出た
・左右対称に発疹が広がっている
・薬を飲み始めてから発疹が出た
・発熱やのどの痛みを伴う
・薬疹か感染症か分からない
・かゆみが強い
・発疹が急に増えてきた
・口、目、陰部の症状がある
・水ぶくれや皮むけがある
中毒疹は、原因が薬剤なのか感染症なのかで対応が変わります。特に重症サインがある場合は、早めの診察が大切です。
よくあるご質問
- 中毒疹は薬疹と同じですか
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同じではありません。中毒疹は、原因がまだ特定しきれていない全身性の急性発疹をまとめて表現するときに使われることがあり、薬が原因と分かれば薬疹と呼びます。
- 中毒疹は感染症でも起こりますか
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はい。ウイルスや細菌の感染に伴って起こることがあります。発熱、咽頭痛、リンパ節の腫れなどが手がかりになることがあります。
- 軽ければ自然に治りますか
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自然に落ち着くこともあります。ただし、薬疹や重症薬疹が隠れていることもあるため、全身に広がる発疹や重症サインがある場合は受診が必要です。
- どんなときに急いで受診したほうがよいですか
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高熱、口や目のただれ、水ぶくれ、皮むけ、急速な拡大、強い顔のむくみ、かゆみより痛みが強い場合は、重症薬疹の可能性があるため早めの受診が必要です。
堺市で中毒疹のご相談は皮ふ科眼科くめクリニックへ
皮ふ科眼科くめクリニックは、堺市の皮膚科・美容皮膚科として、地域に根差した医療を行っています。皮膚科専門医が、中毒疹、薬疹、感染症に伴う発疹の可能性を丁寧に確認し、重症化のサインがないかも含めて診療します。
最新の医療から往診、土曜日の午後・日曜日の診療と地域に根差した医療を行っています。
全身の発疹、急な赤み、薬のあとに出た発疹でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。