ヒトパピローマウイルス感染症は、ヒト乳頭腫ウイルスが皮膚や粘膜に感染して起こる病気です。ヒトパピローマウイルスには多くの型があり、主に皮膚に感染していぼの原因になる型と、外陰部や肛門まわりなどの粘膜に感染して尖圭コンジローマの原因になる型があります。皮膚科では、手足のいぼ、足底のいぼ、顔や手の甲の平らないぼ、外陰部や肛門まわりのできものなどをきっかけに相談されることが多い病気です。
多くのヒトパピローマウイルス感染は症状がなく、自然に消えていきますが、感染が続くと、いぼや尖圭コンジローマを生じたり、一部の高リスク型では子宮頸がん、肛門がん、陰茎がん、外陰がん、中咽頭がんなどに関わったりします。皮膚の普通のいぼをつくる型と、がんに関わる型は基本的に別です。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、ヒトパピローマウイルス感染症による皮膚や粘膜のできものを丁寧に確認し、いぼなのか、尖圭コンジローマなのか、ほかの皮膚病ではないかを見極めながらご案内します。できものが増えてきた方、再発を繰り返す方、陰部や肛門まわりの病変が気になる方は、お気軽にご相談ください。
ヒトパピローマウイルス感染症とは
ヒトパピローマウイルス感染症は、ヒトパピローマウイルスが皮膚や粘膜の細胞に感染して起こる病気です。型によって感染しやすい場所や、できる病変の見た目が異なります。日本皮膚科学会では、主に皮膚に感染する皮膚型と、外陰部や子宮頸部などに感染しやすい粘膜型に大きく分けて考えられること、また、いぼをつくる型と、がんに関わる型があることを説明しています。
ヒトパピローマウイルス感染症は、皮膚科でよくみるウイルス性いぼの原因でもあり、性感染症として扱う尖圭コンジローマの原因でもあります。同じヒトパピローマウイルスでも、できる場所も、見た目も、注意点も異なります。
このような症状はありませんか
ヒトパピローマウイルス感染症では、次のような症状がみられます。皮膚型と粘膜型で見え方が異なります。
・手や指に、ざらざらした硬いいぼがある
・足裏に、押すと痛いできものがある
・顔や手の甲に、平らで小さいいぼが複数ある
・外陰部や肛門まわりに、いぼ状のできものがある
・同じ場所に何度も繰り返す
・少しずつ数が増えてきた
・治療しても再発を繰り返す
・ほくろや皮膚腫瘍との違いが分からない
皮膚科でみる主なヒトパピローマウイルス感染症
手足のいぼ
手や指、足にできる一般的ないぼは、ヒトパピローマウイルスが皮膚に感染して起こるウイルス性疣贅です。尋常性疣贅、足底疣贅、扁平疣贅などがあり、見た目やできる場所が少しずつ異なります。
顔や手の甲にできる平らないぼ
顔や手の甲、前腕などに、平たく小さいいぼが複数出るタイプもあります。皮膚科では、見た目や部位から種類を考えながら診断します。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、外陰部、肛囲、肛門内、尿道口、腟、子宮頸部などにみられる性器のヒトパピローマウイルス感染症です。主な原因は6型と11型で、感染してから見た目に分かるまで3週から8か月、平均2.8か月ほどかかるとされています。
うつりますか
ヒトパピローマウイルスはうつることがあります。皮膚や粘膜の小さな傷から感染し、皮膚型は皮膚のいぼ、粘膜型は尖圭コンジローマなどの原因になります。尖圭コンジローマは主に性的接触で感染し、ヒトパピローマウイルスは症状がない相手からもうつることがあります。
ただし、感染しても全員に症状が出るわけではありません。多くのヒトパピローマウイルス感染は、1〜2年以内に自然に消えるとされています。一方で、感染が長く続くと、尖圭コンジローマや前がん病変、がんにつながることがあります。
がんとの関係
ヒトパピローマウイルスの中には、がんに関わる高リスク型があります。CDC では、13種類のヒトパピローマウイルスが子宮頸がんの原因になりうるとし、外陰、腟、陰茎、肛門、中咽頭のがんにも関係すると説明しています。厚生労働省でも、ヒトパピローマウイルス感染症は子宮頸がんをはじめ、肛門がん、膣がん、尖圭コンジローマなど多くの病気に関わると案内しています。
一方で、普通の皮膚のいぼをつくる型は、基本的にはがんを起こす型とは別です。そのため、一般的な手足のいぼが、そのままがんになると過度に心配しすぎる必要はありません。ただし、「いぼだと思っていたら別の皮膚腫瘍だった」ということはあるため、自己判断だけで済ませないことが大切です。
皮膚科で行う診断
手足のいぼや尖圭コンジローマは、まず見た目とできた場所から診断を考えます。皮膚または肛門性器のいぼは、通常、臨床的な外観に基づいて診断すると MSD マニュアルでも説明されています。
ただし、見た目が似ていても、ほくろ、老人性疣贅、皮膚腫瘍、ボーエン様丘疹症など別の病気のことがあります。診断がはっきりしない場合や、悪性が疑われる場合には、病理組織検査などを検討します。
皮膚科で行う治療
皮膚のいぼの治療
皮膚のいぼでは、液体窒素凍結療法やサリチル酸外用が代表的な治療です。日本皮膚科学会の尋常性疣贅診療ガイドラインでは、液体窒素凍結療法とサリチル酸外用が中心的な選択肢として示されています。
尖圭コンジローマの治療
尖圭コンジローマでは、病変の大きさ、数、できた場所に応じて治療を選びます。外用ではイミキモド、処置では液体窒素による凍結療法、電気焼灼、レーザー、外科的切除などが用いられます。どの治療法が最善かは病変ごとに異なり、ひとつの治療法がすべてに最適というわけではありません。
ヒトパピローマウイルス感染症は、見えている病変を治療しても再発することがあります。特に尖圭コンジローマでは、治療の時点では見えていない感染部位があとから目立ってくることがあり、数週間の間隔で繰り返し治療が必要になる場合があります。
予防
ヒトパピローマウイルス感染症の予防では、ワクチンが重要です。厚生労働省は、ヒトパピローマウイルスワクチンが一部の型の感染を防ぐと案内しており、CDC も、ワクチンは新しい感染を予防するが、今ある感染や病気を治す治療ではないと説明しています。
尖圭コンジローマが疑われる場合は、診断がつくまでは性的接触についても注意が必要です。CDC は、尖圭コンジローマがある間は性行為を控えるよう案内しており、コンドームは感染リスクを下げる可能性はありますが、完全には防ぎきれないと説明しています。
このようなときはご相談ください
・手や足のいぼが増えてきた
・顔や手の甲の平らないぼが気になる
・足裏のいぼが痛い
・外陰部や肛門まわりに、いぼ状のできものがある
・繰り返し再発する
・治療してもなかなか治らない
・ほかの皮膚病との違いが分からない
・陰部のできもので、不安がある
・色や形が普通のいぼと違って心配
普通のいぼでも、数が増える、痛い、治りにくいときは受診がおすすめです。外陰部や肛門まわりのできものは、尖圭コンジローマ以外の病気もあるため、自己判断せず皮膚科で確認することが大切です。
よくあるご質問
- ヒトパピローマウイルスとヒト乳頭腫ウイルスは違うのですか
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違いません。ヒト乳頭腫ウイルスは human papillomavirus の日本語訳で、ヒトパピローマウイルスや HPV も同じウイルスを指します。
- 普通のいぼも、がんになりますか
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一般的な手足のいぼをつくる型は、基本的にはがんを起こす型とは別です。普通のいぼがそのままがんになると、過度に心配しなくてよいと日本皮膚科学会は説明しています
- ヒトパピローマウイルス感染症は自然に治ることがありますか
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はい。多くのヒトパピローマウイルス感染は無症状で、1〜2年以内に自然に消えるとされています。ただし、感染が続くと、いぼ、尖圭コンジローマ、前がん病変、がんにつながることがあります。
- ワクチンは、今あるいぼや尖圭コンジローマを治しますか
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いいえ。ワクチンは新しい感染の予防には役立ちますが、すでにある感染や病変を治す治療ではありません
堺市でヒトパピローマウイルス感染症のご相談は皮ふ科眼科くめクリニックへ
皮ふ科眼科くめクリニックは、堺市の皮膚科・美容皮膚科として、地域に根差した診療を行っています。皮膚科専門医が、ヒトパピローマウイルス感染症による皮膚のいぼ、足底いぼ、顔のいぼ、尖圭コンジローマなどを丁寧に診察し、状態に合わせてご案内します。
最新の医療から往診、土曜日の午後・日曜日の診療と地域に根差した医療を行っています。
ヒトパピローマウイルス感染症が心配な方、いぼが増えてきた方、陰部や肛門まわりのできものが気になる方は、お気軽にご相談ください。