皮膚・皮下腫瘍とは、皮膚の表面にできるできものや、皮膚の下に触れるしこりの総称です。ひとつの病名ではなく、良性腫瘍と悪性腫瘍の両方を含む大きな分類です。日本形成外科学会の一般向け解説でも、皮膚・皮下の良性腫瘍として、ほくろ、粉瘤、脂肪腫、類皮嚢腫、石灰化上皮腫などが挙げられ、悪性腫瘍としては基底細胞癌、扁平上皮癌(有棘細胞癌)、ボーエン病、パジェット病、悪性黒色腫(メラノーマ)などが代表として示されています。
皮膚のできものの多くは良性ですが、見た目だけでは良性か悪性かを決めきれないことがあります。中には、最初は小さなできものやしみ、湿疹のように見えていても、実際には皮膚がんが隠れていることがあります。そのため、「前からあるから大丈夫」と決めつけず、大きくなる、硬くなる、出血する、治りにくい、色や形が変わるといった変化がある場合は、皮膚科で確認することが大切です。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、皮膚のできものや皮下のしこりがどの種類にあたるのか、治療が必要か、早めに詳しい検査を考えたほうがよいかを丁寧に確認します。顔や首のできもの、背中や体のしこり、急に目立ってきた病変などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
皮膚・皮下腫瘍とは
皮膚・皮下腫瘍は、皮膚そのものにできるものと、皮膚の下の脂肪ややわらかい組織にできるものに大きく分けられます。皮膚表面に盛り上がって見えるものもあれば、外からは目立たず、触るとしこりとして分かるものもあります。種類によって、ゆっくり大きくなるもの、炎症を繰り返すもの、石のように硬く触れるもの、出血や潰瘍をつくるものなど、見え方や触れ方はさまざまです。
皮膚・皮下腫瘍という言葉だけでは、良性か悪性かまでは分かりません。まずは、どこにあるか、いつからあるか、どのように変化してきたかをみながら、腫瘍の種類を見極めることが大切です。
このような症状はありませんか
・皮膚に小さなできものがある
・皮膚の下にしこりを触れる
・少しずつ大きくなってきた
・赤く腫れたり痛んだりする
・石のように硬いしこりがある
・出血しやすい
・傷のようになって治りにくい
・色むらがある
・形がいびつになってきた
・湿疹のように見えるのに塗り薬で良くならない
こうした症状は、粉瘤、脂肪腫、石灰化上皮腫などの良性腫瘍でもみられますし、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫、乳房外パジェット病などでみられることもあります。見た目だけで判断しにくいときは、皮膚科で確認することが大切です。
代表的な良性の皮膚・皮下腫瘍
粉瘤
粉瘤は、皮膚の上皮が皮内や皮下で袋状の構造をつくり、その中に角質などがたまってできる良性腫瘍です。半球状に盛り上がることが多く、炎症を起こすと赤く腫れて痛むことがあります。
脂肪腫
脂肪腫は、皮下に発生する軟部組織腫瘍の中で最も多くみられる良性腫瘍です。背中、肩、腕、首などに気づかれることが多く、ゆっくり大きくなることがあります。
石灰化上皮腫
石灰化上皮腫は、皮膚の一部が石灰のように硬くなる良性の皮下腫瘍です。小児や若年者の顔、首、腕によくみられ、押すと硬いしこりとして触れるのが特徴です。
類皮嚢腫
類皮嚢腫は、眼や鼻のまわり、耳の後ろなど顔面領域にできやすい円形の良性腫瘍です。生まれつき存在することもあります。
ほくろ
ほくろ(色素性母斑)も、皮膚の良性腫瘍の代表のひとつです。ただし、すべての黒いできものが安全とは限らず、悪性黒色腫との見分けが大切です。
悪性が疑われる皮膚腫瘍
基底細胞がん
基底細胞がんは、皮膚がんの中で最も頻度が高く、比較的ゆっくり進行するがんです。黒っぽい、または半透明の小さな盛り上がりとして始まり、真珠のようなつや、赤い細い血管、中心のびらんや潰瘍、出血しやすさがみられることがあります。放置すると少しずつ深く広がるため、早めの診断が大切です。
有棘細胞がん
有棘細胞がんは、基底細胞がんに続いて多い皮膚悪性腫瘍です。治りにくいびらんや潰瘍、紅色の結節、出血しやすい病変、硬い角化性結節としてみられることがあり、頭皮や顔面など紫外線の影響を受けやすい部位に増えています。早めに診断されれば、手術で治癒が期待できることが多いとされています。
悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫は、メラニンをつくる細胞ががん化した腫瘍で、早い時期から転移しやすいのが特徴です。左右非対称、境界がギザギザ、色むらがある、直径6mm以上、短期間で変化するといった所見は注意が必要です。日本人では、足の裏、手のひら、爪にもできやすいことが知られています。
乳房外パジェット病
乳房外パジェット病は、外陰部、肛門周囲、わきの下などにできる湿疹のような皮膚がんです。塗り薬を使っても良くならない、いったん良くなってもすぐ再発する、数か月以上続くといったときは注意が必要です。
皮膚科で大切な診察と検査
皮膚・皮下腫瘍の診断では、ひとつの検査だけで良性・悪性を決められないことがあります。 日本形成外科学会の皮膚軟部腫瘍診療ガイドラインでは、臨床経過、視診・触診、画像検査、生検、血液検査などを総合して良悪性を鑑別することが推奨されています。
皮膚表面のできものでは、皮膚拡大鏡検査(ダーモスコピー)が診断の助けになります。がんが疑われる場合や診断が難しい場合には、局所麻酔で一部または全部を採って組織検査を行い、病理診断で確定します。大きい病変や深く入り込んでいる可能性がある場合には、超音波、CT、MRIなどの画像検査を検討することもあります。
皮膚・皮下腫瘍の治療
治療は、何の腫瘍かによって大きく変わります。良性腫瘍であっても、大きくなる、痛む、炎症を繰り返す、見た目が気になる、診断をはっきりさせたいといった場合には、切除が検討されます。脂肪腫では外科的摘出が基本で、石灰化上皮腫でも摘出術が行われます。
悪性腫瘍が疑われる場合は、診断を確定したうえで、手術が基本になることが多いです。基底細胞がんでは手術が第一選択とされ、有棘細胞がんでも早期であれば手術で治癒が期待できます。悪性黒色腫でも、早期発見と初回の適切な手術がとても重要です。
このようなときは早めにご相談ください
・できものやしこりが少しずつ大きくなっている
・急に大きくなってきた
・赤く腫れて痛む
・硬くなってきた
・出血する
・傷のようになって治らない
・色むらがある
・形がいびつ
・湿疹のようなのに塗り薬で改善しない
・顔、首、手、足、爪、陰部などの気になる病変がある
特に、出血、潰瘍、急な増大、左右非対称、境界不整、色むら、治りにくい湿疹は、皮膚がんや前がん病変を疑うサインとして知られています。自己判断で長く様子を見すぎず、早めの受診をおすすめします。
よくあるご質問
- 皮膚・皮下腫瘍はすべて手術が必要ですか
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いいえ、すべてがすぐ手術になるわけではありません。腫瘍の種類、部位、大きさ、痛みの有無、炎症の有無、見た目のお悩み、悪性の可能性などをみながら決めます。良性腫瘍では、完全に取り切れれば再発の可能性はほとんどないとされています。
- 皮下のしこりは脂肪腫ですか
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脂肪腫はよくある良性腫瘍ですが、皮下のしこりには粉瘤、石灰化上皮腫、類皮嚢腫など、ほかの病変もあります。見た目や触った感じだけでは決められないことがあるため、診断が大切です。
- ほくろのようなできものは様子見で大丈夫ですか
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左右非対称、境界がギザギザ、色むらがある、直径が6mm以上、短期間で変化するなどがある場合は、早めの確認が大切です。こうした所見は悪性黒色腫を疑う目安として知られています。
- 湿疹だと思っていたのに良くならないのですが、腫瘍のこともありますか
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あります。特に外陰部、肛門周囲、わきの下などの湿疹が塗り薬で改善しない場合は、乳房外パジェット病などを考えることがあります。長引く湿疹は自己判断で続けず、皮膚科で確認するのが安心です。
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皮ふ科眼科くめクリニックは、堺市の皮膚科・美容皮膚科として、地域に根差した医療を行っています。
皮膚科専門医が、皮膚のできもの、皮下のしこり、ほくろ、粉瘤、脂肪腫のような良性腫瘍から、皮膚がんが心配な病変まで丁寧に診察し、状態に合わせてご案内します。
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皮膚・皮下腫瘍、できもの、しこりでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。