乾癬の皮疹が広がってきた、塗り薬やこれまでの治療だけでは改善が不十分、注射による治療を検討したいという方へ。
イルミアは、尋常性乾癬に使われる生物学的製剤です。炎症に関わる働きを調整することで、皮疹の改善を目指します。
堺市の皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が在籍し、最新の医療から往診まで地域に根差した医療を20年以上続けています。
また、イルミアは当院で治験に関わった薬剤でもあります。診察では、現在の症状やこれまでの治療経過を確認しながら、患者さんに合った治療かどうかを丁寧に判断します。
イルミアはどのようなお薬ですか
イルミアは、チルドラキズマブを有効成分とする注射薬です。
インターロイキン23(IL-23)のp19サブユニットに結合し、その働きを抑えることで、乾癬の炎症を落ち着かせ、皮膚症状の改善を目指します。
塗り薬や飲み薬とは異なる仕組みで働くため、既存治療で十分な改善が得られない場合の治療選択肢になります。
イルミアの適応
イルミアの効能又は効果は、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬です。
具体的には、次のいずれかに当てはまる場合に使われます。
- 光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ場合
- 難治性の皮疹がある場合
そのため、イルミアは、すべての乾癬の患者さんに最初から使う薬ではなく、これまでの治療経過を踏まえて検討される治療です。
当院とイルミア
当院は、イルミアの治験に関わった経験があります。
そのため、治療の流れや注意点、副作用への配慮も含めて、患者さん一人ひとりの状態に合わせたご相談を大切にしています。
ただし、すべての方にこの治療が最適というわけではありません。
診察では、乾癬の重症度、これまでの治療、感染症の有無、結核の既往、妊娠の可能性、授乳中かどうかなどを確認しながら、総合的に判断します。
イルミアの適応年齢
イルミアの添付文書では、通常、成人に対する用法用量が定められています。
一方で、小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。
そのため、ホームページでは、基本は成人を対象とした乾癬治療としてご案内するのが分かりやすいです。
イルミアの用法用量
基本の用法用量
通常、成人には1回100mgを初回、4週後、以降12週間隔で皮下注射します。
投与スケジュールのまとめ
| 時期 | 1回量 | 投与方法 |
|---|---|---|
| 初回 | 100mg | 皮下注射 |
| 4週後 | 100mg | 皮下注射 |
| 以降 | 100mg | 12週間ごとに皮下注射 |
効果の見直し時期
イルミアは、通常、投与開始から16週以内に治療反応が得られるとされています。
16週以内に十分な反応が得られない場合は、治療計画の継続を慎重に再考します。
どのように注射しますか
イルミアは医療機関で皮下注射するお薬です。
注射部位の例
- 大腿部
- 腹部
- 上腕部
注射するときの注意
- 毎回、注射する場所を少しずつ変えます
- 皮膚が敏感な部位には注射しません
- 傷、発赤、硬結がある部位には注射しません
- 乾癬の病変部位には注射しません
使用前に確認していること
次のような場合は、受診時に必ずご相談ください。
- 感染症がある方、または感染症が疑われる方
- 過去に結核にかかったことがある方
- 結核の感染が疑われる方
- 妊娠中、または妊娠している可能性がある方
- 授乳中の方
- 過去にこの薬でアレルギー症状が出たことがある方
治療開始前には、必要に応じて問診、胸部X線検査、インターフェロンγ遊離試験、ツベルクリン反応検査、胸部CT検査などを行い、結核感染の有無を確認します。
使用中に気をつけること
イルミアは、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
発熱、寒気、体がだるいなどの症状がある場合は、早めにご相談ください。
また、使用中は次のような点にも注意が必要です。
- 結核の発症に注意が必要です
- 定期的に胸部X線検査などを行うことがあります
- 生ワクチンは接種できません
- 他の生物学的製剤との併用は避けます
- この薬は病気を完治させる薬ではありません
- 他院を受診する際は、イルミアを使用中であることを伝えてください
臨床試験では、皮膚および皮膚以外の悪性腫瘍の発現も報告されています。因果関係は明確ではありませんが、注意しながら経過をみていきます。
妊娠・授乳について
妊婦さん、または妊娠している可能性がある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。
授乳中の方は、治療上の有益性と母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続または中止を検討します。
妊娠中や授乳中の方は、受診時に必ずご相談ください。
副作用について
イルミアでは、重篤な感染症と重篤な過敏症に注意が必要です。
比較的みられる副作用としては、次のようなものがあります。
- 上気道感染
- 気管支炎
- 毛包炎
- 口腔ヘルペス
- 皮膚カンジダ
- 血中トリグリセリド増加
- ALT増加
- AST増加
- γ-GTP増加
- 蕁麻疹
- 蛋白尿
- 尿中血陽性
- 倦怠感
- 発熱
早めに相談したい症状
次のような症状がある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
- 発熱
- 寒気
- 体がだるい
- 息苦しさ
- 強いかゆみ
- じんましん
- 発疹
- ふらつき
- 汗をかく
- 口のまわりの腫れ
このような方はご相談ください
- 乾癬の皮疹が広い範囲に及んでいる方
- 光線療法や既存の全身療法で十分な効果が得られなかった方
- 難治性の乾癬でお困りの方
- 注射による治療を検討したい方
- イルミアが自分に合うか知りたい方
よくあるご質問
- イルミアは何歳から使えますか
-
添付文書では、通常、成人に対する用法用量が定められています。
小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。 - どのような乾癬に使いますか
-
既存治療で効果不十分な尋常性乾癬に使います。
光線療法を含む既存の全身療法で十分な効果が得られず、皮疹が広い範囲に及ぶ場合や、難治性の皮疹がある場合に検討されます - どのくらいの間隔で注射しますか
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通常は、初回、4週後、その後は12週間ごとです。
- どのくらいで効果が分かりますか
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通常、16週以内が一つの目安です。
十分な反応が得られない場合は、治療方針を見直します。 - 生ワクチンは受けられますか
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使用中は生ワクチンを接種できません。
接種が必要な場合は、事前に医師へご相談ください。 - 妊娠中でも使えますか
-
妊娠中、または妊娠している可能性がある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与します。
受診時に必ずご相談ください。