ピコトーニングは、一般に低出力のピコ秒1064nm Nd:YAGレーザーを用いて、色素に少しずつ働きかけていく施術です。日本の美容医療診療指針では、ピコ秒レーザーは1ナノ秒未満のパルス幅をもち、ナノ秒レーザーよりも光音響効果が大きいレーザーとして説明されています。また、韓国レーザー医学誌の報告でも、低出力のピコレーザー(低フルエンス)1,064nm Nd:YAG laser を用いた pico-toning technique が肝斑治療として扱われています。
美容皮膚科では、主に肝斑、くすみ、色むら、炎症後色素沈着などで相談されることがあります。ただし、肝斑治療ではレーザーだけが主役ではありません。日本の美容医療診療指針では、レーザーやIPLは遮光や美白外用に次いで用いられる治療とされ、アメリカ皮膚科学会でも薬の外用や日焼け対策を行っている患者で、必要に応じてレーザーや光治療を追加する考え方が示されています。
ピコトーニングとは
ピコトーニングは、強い出力で色素を一気に壊すスポット照射とは異なり、低い出力で繰り返し照射しながら、肌全体の色調を少しずつ整えていく施術です。ピコ秒レーザーは短いパルス幅によって、従来のナノ秒レーザーとは異なる反応を起こしやすく、色素への働き方にも違いがあります。日本の指針では、ピコ秒レーザーは532nm、755nm、1064nmなど複数波長の機器があり、短いパルス幅と高いピークパワーが特徴とされています。
また、ピコトーニングは従来のレーザートーニングとまったく別物というより、“低出力で少しずつ整える”という考え方をピコ秒レーザーで行う施術として理解するとわかりやすいです。実際に、1,064nmピコ秒Nd:YAGレーザーと1,064nm QスイッチNd:YAGレーザーを比較した split-face study では、ピコ秒側は従来機と同等の有効性・安全性が示されています。
こんなお悩みはありませんか
- 肝斑が気になる
- 顔全体のくすみや色むらが気になる
- 炎症後色素沈着がなかなか引かない
- 強いしみ取りレーザーは不安
- 肌のトーンを少しずつ整えたい
- 肌状態を見ながら、無理のない施術を相談したい
こうしたお悩みでは、ピコトーニングが補助的な選択肢になることがあります。ただし、見た目が似ていても、肝斑、老人性色素斑、ADM、炎症後色素沈着では向く治療が異なるため、まずは診断をつけることが大切です。
ピコトーニングで相談されること
肝斑
ピコトーニングで最もよく相談されるのは、肝斑です。日本の美容医療診療指針では、肝斑に対するレーザー・光治療は、保存的治療で十分な効果が得られない場合の併用療法として位置づけられています。つまり、肝斑に対して最初からレーザーだけで進めるのではなく、遮光や外用治療を土台にして考えることが大切です。
そのうえで、ピコ秒レーザーには一定の報告があります。2023年のメタ解析では、1064nmのピコ秒レーザーは肝斑に対して安全かつ有効とされ、2020年の pico-toning technique の報告でも、Asian female melasma patients における有効性と安全性が示されています。ただし、同じメタ解析では755nmピコ秒レーザーは外用美白治療を上回らず、炎症後色素沈着も報告されており、波長や条件まで含めて慎重に考える必要があります。
くすみ・色むら
ピコトーニングは、顔全体のくすみや色むらの相談でも使われることがあります。日本の美容医療診療指針でも、ピコ秒レーザーは色素病変に用いられるレーザー群として整理されており、低出力で全体に照射する考え方は、局所のしみ取りとは少し異なる位置づけです。
ただし、「くすみ」の原因がすべて同じではありません。肝斑が主体なのか、炎症後色素沈着なのか、日光による色むらが混在しているのかで治療の考え方は変わります。ピコトーニングは、肌全体を少しずつ整えたいケースで検討される一方、濃くはっきりしたしみでは別の治療のほうが向くこともあります。
炎症後色素沈着
炎症後色素沈着でも、ピコトーニングが相談されることがあります。日本のレーザー医学の解説では、低出力QスイッチNd:YAGレーザー治療は炎症後色素沈着やスキンリジュビネーションにも用いられているとされており、低出力での色調改善という考え方はピコトーニングにも近いものです。
ただし、炎症後色素沈着では、今も炎症が続いていないか、摩擦や紫外線が悪化因子になっていないかを確認することが大切です。元の炎症が続いている状態では、レーザーだけを先に行っても期待どおりに進まないことがあります。
レーザートーニングとの違い
レーザートーニングは一般にナノ秒のQスイッチ1064nm Nd:YAGレーザーを低出力で用いる施術を指し、ピコトーニングはそれをピコ秒レーザーで行う考え方です。日本の美容医療診療指針では、ナノ秒レーザーとピコ秒レーザーはパルス幅が異なり、ピコ秒レーザーはより多くの光音響効果を示すと説明されています。
実際の比較研究では、1,064nmピコ秒Nd:YAGレーザーは、従来の1,064nm QスイッチNd:YAGトーニングと比べて、同等の有効性と安全性が示されています。そのため、ピコトーニングは「まったく別系統の施術」というより、従来トーニングの考え方をピコ秒レーザーで行う施術として説明するのが自然です。
ピコトーニングの特徴
ピコトーニングの特徴は、比較的マイルドな出力で、色調を少しずつ整えていくことです。短期間で肝斑の面積や重症度を改善できる利点はありますが、日本の美容医療診療指針では、レーザー治療は肝斑を根治させる治療ではなく、再燃することが多いとされています。長期に漫然と続けるより、肌状態を見ながら計画的に行うことが大切です。
また、ピコ秒レーザーのメタ解析では、1064nmピコ秒レーザーは比較的安全とまとめられていますが、レーザー治療全般では紅斑、灼熱感、炎症後色素沈着などの副作用がありえます。日本の指針でも、低フルエンスQスイッチ1064nm Nd:YAGで小さな脱色素斑が出た報告が紹介されており、低出力でも“完全にノーリスク”ではありません。
施術前に確認したいこと
ピコトーニングを受ける前には、本当に肝斑や色素沈着に対して向いている施術かを確認することが大切です。日本の美容医療診療指針では、レーザー・光治療は遮光や美白剤に次いで用いられるものとされており、まずは診断と土台治療を確認する必要があります。
また、肝斑では紫外線が大きな悪化因子です。AADは、肝斑治療ではSPF30以上の広域スペクトラムの日焼け止め、帽子、日陰の利用などの日焼け対策を継続することが重要と案内しています。レーザー施術を考える場合でも、この基本は変わりません。
施術後の経過と注意点
施術後は、一時的な赤み、ヒリつき、熱感が出ることがあります。日本の美容医療診療指針では、肝斑に対するレーザー療法の副作用として、紅斑、灼熱感、炎症後色素沈着が挙げられています。多くは短期間で改善しますが、刺激が強すぎる場合は悪化のきっかけになることがあります。
また、施術後は保湿と遮光をしっかり行うことが大切です。赤みやヒリつきが長引く場合、色が白く抜けたように見える場合、色素沈着が強く出る場合は、自己判断で続けずに相談することが重要です。
当院のピコトーニング
皮ふ科眼科くめクリニックでは、皮膚科専門医が、今の色素トラブルが肝斑なのか、炎症後色素沈着なのか、別のしみが混在しているのかを丁寧に確認しながら、ピコトーニングが向いているかどうかをご相談します。ピコトーニングは、くすみや色むらを少しずつ整えていく施術ですが、遮光や外用治療も大切にしながら進めることが重要です。
最新の医療から往診まで、地域に根差した医療を20年以上続けてきたクリニックとして、一般皮膚科と美容皮膚科の両面から、わかりやすくご案内いたします。
堺市でピコトーニングをご検討の方は、皮ふ科眼科くめクリニックへご相談ください。
ピコトーニングのよくある質問
- ピコトーニングとは何ですか?
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ピコトーニングは、一般に低出力のピコ秒1064nm Nd:YAGレーザーを使って、肝斑やくすみ、色むらに少しずつ働きかける施術です。ピコ秒レーザーは1ナノ秒未満のパルス幅をもち、ナノ秒レーザーより光音響効果が大きいとされています。
- 肝斑にも受けられますか?
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受けることはありますが、最初から第一選択ではありません。 日本の美容医療診療指針では、肝斑に対するレーザーやIPLは、遮光や美白外用などの保存的治療で十分な効果が得られない場合の併用療法として位置づけられています。
- レーザートーニングとの違いは何ですか?
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レーザートーニングは一般にナノ秒のQスイッチ1064nm Nd:YAGレーザーを、ピコトーニングはピコ秒レーザーを低出力で使う施術です。比較研究では、1,064nmピコ秒Nd:YAGは従来の1,064nm QスイッチNd:YAGトーニングと同等の有効性・安全性が示されています。
- 何回くらい必要ですか?
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回数は一律ではありません。ピコトーニングは、1回で完結するというより、経過を見ながら少しずつ整えていく施術として考えるのが自然です。肝斑全体の治療結果は、アメリカ皮膚科学会でも数か月単位でみていく必要があると案内されています。
- ダウンタイムはありますか?
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大きくないことが多いですが、赤み、ヒリつき、熱感などが一時的に出ることがあります。日本の美容医療診療指針では、レーザー療法の副作用として紅斑、灼熱感、炎症後色素沈着が挙げられています。
- リスクはありますか?
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あります。日本の指針では、低フルエンス1064nm Nd:YAGレーザーで小さな脱色素斑が生じた報告が紹介されており、メタ解析でも波長によっては炎症後色素沈着が問題になることが示されています。低出力でも、適応と設定を慎重に考えることが大切です。
- 施術後に大切なことは何ですか?
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保湿と紫外線対策が大切です。アメリカ皮膚科学会は、肝斑治療では日焼け対策を継続することが再燃予防の基本だと案内しています。施術後も、帽子、日焼け止め、摩擦を避けるケアを続けることが重要です。